「ギャンブルに狂ってどこにもいくあてがなかった」拘置所にいる息子から届いた手紙 「ギャンブル依存症」で追い詰められた先には「闇バイト」が…
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多額の借金を抱えても“やめられない”「ギャンブル依存症」。その一部の人たちが追い詰められた先に「闇バイト」に走っている実態が明らかになりました。 きのう、国会議員も参加するなか開催された「ギャンブル依存症」の勉強会。 参加者 「総額1000万円近くのお金を息子につぎ込みました。ギャンブルの借金を繰り返す息子に対して、どうしたらよいか全くわかりませんでした」 会の参加者にある調査結果が示されました。 記者 「こちらの勉強会では、ギャンブル依存症当事者のおよそ3割が犯罪に関与していたと発表されました」 「全国ギャンブル依存症家族の会」が行った会員681人に対するアンケートで、ギャンブル依存症の当事者の3割以上が「何らかの形で犯罪行為を行った」とし、そのうち1割ほどが入り口は「闇バイト」だったと回答しています。 息子が「闇バイト」を通じ、犯罪に手を染めたという60代の女性が取材に応じました。 ギャンブル依存症で闇バイトした息子を持つ女性 「息子が(闇バイト)に関わっていたというのは、言葉で言い表せないぐらい辛いです」 30代の息子は「ギャンブル依存症」で、大学生のころからパチンコや競馬で借金を重ねていました。女性は息子のためと思い、時に数百万円の借金を肩代わりしていたといいます。 ギャンブル依存症で闇バイトした息子を持つ女性 「借金をきれいにすると、あっという間にまた借金をつくる。その繰り返しだったんです」 女性が「これ以上借金の肩代わりをしない」と伝えると息子は失踪。その後、息子はSNSを通じて見つけた「闇バイト」に応募し、今年10月、特殊詐欺に関わったとして逮捕されたといいます。 先週、拘置所いる息子から女性の元に手紙が届きました。 拘置所にいる息子からの手紙 「ギャンブルに狂って、どこにもいくあてがなかったとはいえ、バカな事をしてしまったと毎日反省と後悔をしています」 ギャンブル依存症で闇バイトした息子を持つ女性 「これは本当に私たちでは、もうこれ以上どうすることもできないって思いますね。事件のことについては、自分で向き合って反省してほしい」 「ギャンブル依存症」からなぜ「闇バイト」に走るのか。専門家はスマホ一つで手軽に応募できることが原因の一つだとしたうえで、次のように話します。 ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子 代表 「どんどん病気の進行とともに自分のモラルの感覚がおかしくなってくる。(ギャンブルの)種銭をつくるために(闇バイト含め)何でもやってしまうんです」 また、家族が借金を肩代わりすることは依存症を治すうえで逆効果になると指摘。“ギャンブル依存症の問題は、自分ひとりでは解決できない”と強調します。 ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子 代表 「家族だけでも相談に来てもらう。ギャンブル依存症っていうのは精神論ではなく病気なんだということを、個人の資質に矮小化しないことをもっと伝えていくべき」
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