河合優実と坂東龍汰のドラマ『RoOT/ルート』が「かなり深い」…!3回繰り返し見たが、「見るたびにおもしろくなっていく」と言えるワケ
胸突かれるようなシーン
陸上部で、同期の子(寺本莉緒の演じる花音)と、ふたつ下だが優秀な選手の三矢ユキ(菊池日菜子)と埼玉の田舎のほうの高校に通っていて、三人で一緒に帰っている。三矢ユキが笑風亭呑楽の娘である。 ちょっと胸突かれるようなシーンが8話にあった。 主人公玲奈は高校三年の最後の大会で、幅跳びの選手に選ばれなかった。代わりに選ばれたのが一年の三矢ユキだった。玲奈は納得いかない、でもユキもがんばっているから、彼女には何も言えない、とも言う。 ただそのあと、学校の階段で一緒になったとき、会釈をして追い抜いていったユキの背中を玲奈はいきなり押した。 ユキはもんどりうって階段を落ちて動かなくなる。玲奈も階段上で棒立ちになったまま動かない。すぐに気づいた生徒たちが彼女に駆け寄ってもただ彼女は見つめている。 それで玲奈は停学になった。 おそらくそのまま中退したのだろう。 ユキは足を怪我して、入院した。二人とも大会には出られない。 その後、ユキの両親に会ったとき、玲奈はこのことを謝る。 「ユキのことが好きで……まぶしくて、悔しくて……あのときは何したんだか……なんであんなこと、自分でもわかんなくて……」と述懐する。 両親は無言で許してくれる。 裏社会のいろんな暴力的なシーンが描かれたドラマだが、この高校の階段シーンがもっとも衝撃的だった。昼間の高校校舎で無邪気で強烈な悪意が爆発したシーンだ。無音で動いている彼女から何かの音が聞こえてきた気がした。 主人公の純粋な悪意。 ドラマの進展には直接は関わりはない。だからこそ、強く印象深かった。 河合優実が演じていたからだとおもう。
ふとおもいだした立川談志
三人でよく、こんど東京に遊びに行こうね、と約束していた。たぶん三人で行くことはないのだろう、とおもわせる女子らしい約束のしかただった。でも玲奈は本気で遊びに行きたいとずっとおもっていそうでもあった。 言葉の裏をつい見てしまう物語でもあった。 彼女は父のいる東京へ引っ越すと言って、埼玉娘に羨ましがられたとき、原宿とか考えてません、うち練馬ですよ、ここと変わらないんだから、とも言っていた。 練馬の師匠と言われて、ふとおもいだすのが立川談志だ。 立川志の輔や、立川談春、志らく、いまの名だたる落語家が、入門して修業していたのが練馬の談志宅である。彼ら三人がそれぞれ話した「骨壺を抱いて練馬の談志宅を訪れた奇妙な女性ファンに、百万円でねずみ穴を聞かせた」というエピソードがあまりに強烈で忘れられない(三者三様の話しぶりであった)。聞いたのは20年ほど前で、エピソードそのものは40年ほど前のことになる。 談志の家は、昭和のころは練馬で、あと新宿と根津に家があったはずだ。 ドラマ『RoOT/ルート』の笑風亭呑楽はべつに立川談志と関係はない。 松尾貴史が演じているから、どこまでも立川談志に見えるだけだ。 立川談志がのりうつったかのように喋っているシーンがあった。 談志に似せようとしたというより、不機嫌な落語家を演じたから、ただ談志に似てしまっただけ、というように見えた。 3話の冒頭のテレビでのコメンテイターのシーンである。 呑楽は、このときワイドショーに出演していて、10億円宝くじが話題になっていた。10億円の現ナマをスタジオに運び込んで、みんながおもしろおかしく言っているところで、笑風亭呑楽が、いきなり怒り出すのだ。
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