【解説】「気象記念日」 最初の天気予報は139年前… “26文字”で全国を 今は防災情報として…
■テレビ放送が開始されてからは… “手作り感”解説アニメーションも
その後、新聞やラジオと伝え方はどんどん変わっていきました。 テレビ放送が始まった直後の1950年代、日本テレビが放送した天気予報の映像が残っています。日本列島の地図の前でアナウンサーが指示棒を使い伝えるという、今とほぼ同じスタイルでした。
1959年には、暖冬を解説するためアニメーションが用いられていました。当時の映像では、「南の風」と書かれた矢印が地図の上方向へ動き、その上からは「北の風」と書かれた矢印が下りてきます。そして、2つの矢印の間には「気圧が低くなる」と書かれています。 この低気圧に向かって南から暖かい空気が入ってくるので「暖冬になる」という解説だったのではないでしょうか。
■今も活躍「177」 大事な情報源であり続け…
今では様々な媒体から天気の情報を得ることができますが、電話で天気予報を聞くことができる「177」の「天気予報電話サービス」は今も活躍中です。 1955年から1997年までは、日本気象協会の担当者が協会内のブースで音声を吹き込んでいました。その録音を電話で流していたわけです。 インターネットが普及した今はだんだんと利用者が減っています。ただ、パソコン、スマートフォンの操作が苦手な人、視覚障害がある人にとっては使いやすいものです。また、災害時にも利用できるということで、大切な情報源であることに変わりはありません。 ◇ 天気予報というと、「晴れるの? 曇るの?」「洗濯干せるの?」「傘いるの?」といったことがやはり気になりがちですが、時代が進むとともに防災情報としての意味合いが強くなっています。 その分、複雑になっているので、メディアの側としてもより一層、伝え方の研究が必要です。また、情報を受け取る皆さんも「じぶんごと」と思ってもらい、気象情報の内容を早く理解して、避難行動へ結びつけることが大切だと思います。 (2023年6月1日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)