[MOM4706]神村学園MF佐々木悠太(2年)_意識した「チームのためにやること」。ボランチで逆転劇を演出
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [5.25 インターハイ鹿児島県予選決勝 鹿児島城西高 1-2神村学園高 OSAKO YUYA stadium] 【写真】「なんと!」「こんなかわい子ちゃんが…」ユニ姿で連番観戦した“美女2人”に脚光 厳しい言葉を受け止め、「チームのためにやること」を貫いた。神村学園高は、後半終了2分前からの2得点で逆転優勝。MF佐々木悠太(2年=神村学園中出身)が悪い流れを変える原動力になった。 佐々木はこの日、3-4-3システムの2シャドーの一角として先発。「城西相手にロングボールでやったら勝てないのは分かっていたので、スペースで受けて、なるべくつなぐように意識していました」。ただし、神村学園は前半から鹿児島城西高の厳しいプレッシングに苦戦。ボランチから自分のところになかなかボールが入らなかった。 後半半ばまでシュートゼロが続いた神村学園は後半21分のセットプレーのタイミングで佐々木をボランチへ下げる。「前半からシャドーのところが空いていたので、そこをボランチに落ちた時には見るようにして、そこからサイドに展開したりすることは意識してボランチに入りました」。佐々木はドリブルでボールを運ぶ回数も増加。ここから徐々に神村学園は攻撃が好転していった。 後半29分に失点したものの、チームは33分に同点。そして、35+1分、佐々木は右サイド後方でボールを持つと、ゴール前のMF大成健人(3年)とMF名和田我空(3年)の姿を視野に入れ、クロスを上げる。有村圭一郎監督が「上げた瞬間に決まったようなゴール」と絶賛したボールを大成が頭で合わせて決勝点。佐々木の質がもたらした1点だった。 「とりあえず(ファーの)我空さんの方に合わせとけば、短くなっても健人さんに合うと思ってたんで、我空さんを狙って蹴ったら、ほんまにいいところに行って、健人さんが合わせてくれて。完璧でした」 また、佐々木は守備面でも強度の高い動き。「球際の部分は自信あるので、とりあえず体ぶつけてボール奪うことを意識しました」。相手のU-17日本高校選抜FW大石脩斗(2年)に厳しく寄せてボールを奪い取るシーンもあった。切り替えも速く、相手のカウンターやセットプレーを阻止。前日の準決勝は、1ゴール1アシストと活躍をした一方、攻撃から守備への切り替えが遅れ、「自分のやりたいことしかやらない」とピッチサイドの指揮官から苦言を呈されていた。 そして、試合後には下原耕平コーチから、自分を変えてくれる言葉。「日頃から、ずっと練習の時から『オマエ、自分のことしかしない』って言われてるんで、そこはもっと人のためにやっていかないと。昨日の夜に下原先生に心の持ち方のところを言われて。そこも意識してプレーに入って、とにかく自分のことじゃなくて、チームのためにやることを考えてやっていました」。何よりもチームのために献身的に戦い、優勝に貢献した。 憧れの選手にベルギー代表MFケビン・デ・ブライネを挙げるMFは、両足のキック精度や強さが武器。今年はプレミアリーグで右SBを務めた際に突破力の必要性を実感し、その点も強化してきたという。準決勝ではPAへ抜け出す動きでも決定機を創出。神村学園中3年時にU-15日本代表スペイン遠征を経験しているMFは、高校サッカーで活躍し始めている。 「結果を出してまた代表に戻りたいっていうのもあって。代表に戻るためには、絶対チームで日本一にならないといけないと思っていますし、そのためにチームでやっていきたいと思います」。昨年からレギュラーのMF福島和毅(2年)がU-16日本代表やU-17日本高校選抜に選出されていることも刺激に。より運動量などをレベルアップさせ、全国大会で「目に見える結果を出して、チームの勝利に自分が導いていきたい」という目標を実現する。