堅実無比なナムラクレアが初のGⅠ戴冠へ! 前日1番人気ルガルは大物感漂うも、”出遅れ癖”に疑問【高松宮記念】
中京コースの実績が〔1・1・0・0〕、道悪実績が〔2・1・0・0〕というデータも心強く、今季初戦の京都牝馬ステークス(GⅢ、京都・芝1400m)は、余裕残しの状態でソーダズリングのクビ差2着に突っ込み、あらためて地力の高さを認識させた。 ルガルに対するオッズ面での妙味を含めて、ここはナムラクレアから入るのが手だろう。 一方で、対抗評価はウインマーベル(牡5歳/美浦・深山雅史厩舎)とトウシンマカオの2騎だ。 ウインマーベルは現在、芝1400mの重賞を2連勝中。良績は1400m戦が多いが、3歳秋のスプリンターズステークスでタイム差なしの2着となっており、距離の不安はない。コース実績が〔2・1・0・3〕と強調はできないまでも、データもマイナス材料とはなるまい。 トウシンマカオも芝1200m戦の重賞を2連勝と、5歳になっての本格化を感じる1頭だ。昨年11月の京阪杯を中団から鋭く差し切って制すと、今年初戦のオーシャンステークス(GⅢ)も5番手追走からあっさりと抜け出し、2着に1馬身1/4差を付けた。 同馬の中京コース実績が〔0・0・0・3〕は減点材料で、高柳調教師も「左回りが少し苦手」と本馬の癖を認めているが、新たな鞍上にクリストフ・ルメール騎手を招いたことでウィークポイントをカバーできれば、というところか。 ちなみにトウシンマカオの父は2016年の本レース勝ち馬であるビッグアーサー、さらに、その父はスプリンターズステークス2連覇のサクラバクシンオーという見逃せない血筋。このサイアーラインにとっては、父仔三代に渡るスプリントGⅠ制覇がかかる一戦となる。 天候不順という予報も加味し、激戦必至と見て、昨年のスプリンターズステークスを制したママコチャ(牝5歳/栗東・池江泰寿厩舎)、そしてビッグシーザー(牡4歳/栗東・西園正都厩舎)、マッドクール(牡5歳/栗東・池添学厩舎)、ソーダズリング(牝4歳/栗東・音無秀孝厩舎)、ディヴィーナ(牝6歳/栗東・友道康夫厩舎)、香港からの刺客ビクターザウィナーまでを「押さえ」として、手広く流したい。 文●三好達彦