地域の安全願い公演400回超 笑い交え防犯劇 焼津の「浪蔵笑劇団」15年目
焼津市小川地区の高齢者5人で2010年に結成した「浪蔵(なみぞう)笑劇団」(山口浪男代表)の公演が400回を超え、11日に地元の小川地域交流センターで達成記念公演を行った。県内各地から出演依頼を受けて実績を重ねてきた15年目の“人気劇団”は、記念の舞台でも笑いを交えた防犯劇を披露し、観客を引きつけた。 公演は、山口代表演じる主人公の「浪蔵じいちゃん」に詐欺の魔の手が忍び寄る内容。他の団員が犯人役となり、還付金名目や金融機関職員をかたった訪問型の詐欺の手口を紹介した。出演者4人の軽妙な掛け合いで進行し、最後は「詐欺被害を0にして明るい小川の町に」と約30分間の劇を締めくくった。 劇団は自治会活動の一環で悪質商法をテーマとした寸劇を演じて好評を得たことをきっかけに、10年2月に誕生した。警察や市、市社会福祉協議会などの協力を得て、振り込め詐欺、認知症と題材のレパートリーを増やして活動を展開。評判が広がる中、県東部や西部からの依頼にも足を運んできた。 発足当初のメンバー5人のうち3人は交代し、現在は同市の70~90歳の男女5人で活動する。結成時から代表を務める山口さんは2度の脳梗塞を乗り越え、90歳の今も主役を張る。公演の予定はすでに来年3月まで入っているといい、「仲間にやる気がある限り、一緒になってやりたい。地域の安全を願って公演を続けていく」と意欲は尽きない。
静岡新聞社