「閉じる」ポーズで自分を守る【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】
学校でも会社でも「話はよく聞け」「周りをよく見ろ」と言われてきたけれど、ちょっと待ってよ、と言いたいときもありまして。そんなときは……。
〈閉じる〉“知~らない、と自分を閉じることで守れるものもあるよ。”
生きていれば、私たちは社会の一部であることは間違いないけれど、いつもコミットしている必要はないと思うのが私の考えです。ときには「私、知~らない」と、耳をふさぎ、閉じてしまっていい。なぜなら、それが自分を守ることもあるからです。 要は、時間がたつのを待つんです。 その間に、周りの人の考えも変われば、自分の考えも変わる。すべてのものが変化していきます。 「知~らない」と思うのがピンとこなかったら、「私の出る幕じゃありません」でも、「今回は、パス!」でも、「気分が乗らない」でもいいですね。 バッティングセンターに行っても、自分のタイミングじゃなければ、見逃すでしょう? この球、何だか違うなと思ったら、打たない。次を待ちます。 大事なのは、自分が選んでコミットしていくということ。 耳をふさいで、いったん自分を閉じる。閉じてしばらくすると、不思議なもので、外の様子、外の声、外の音を聞きたくなるものなんです。耳を開けば、気持ちも開く。状況も開かれることもあるかもしれません。 鋤のポーズは、カラダが逆転することで、全身の血流を促してくれます。閉じた自分だけの世界に入ることで、しばし内観の時間。カラダもココロもリカバリーできます。
仰向けになって両膝を胸に近づけます。左右の手でそれぞれかかとを持ち、足の裏で耳を覆うようにします。深い呼吸をして8秒。1日1回。目もつむって行ってもよいですね。
撮影・森山祐子 イラストレーション・SHOKO TAKAHASHI 構成&文・越川典子
『クロワッサン』1128号より
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