リーグやチームは契約で大金を得たけれど… 2024年はスポーツ賭博スキャンダルの年に?(海外)
スポーツ賭博スキャンダルが相次いでいる。 MLBとNBAの両方で、選手が永久追放されている。 2018年以来、スポーツ・ベッティングへの掛け金は総額3300億ドル(約51兆3700億円)にのぼるとESPNは報じている。 2024年はスポーツ賭博スキャンダルの年になりそうだ。 アメリカでは連邦最高裁の2018年の画期的な判決によって、それぞれの州の判断でスポーツ賭博を合法化できるようになると、多くの競技連盟やチームのオーナーが契約を結び、スポーツ・ベッティングは"儲かる産業"になった。 例えば、FanDuelは2023年、メジャーリーグベースボール(MLB)の公式ベッティング・パートナーとなる契約を結んだ。2021年には、総合格闘技のアルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)がDraftKingと提携し、ESPNによると3億5000万ドルの契約を結んだ。 ESPNによると、スポーツ賭博はアメリカの39の州とワシントンD.C.、プエルトリコで合法化されている。2018年以来、その掛け金は総額3300億ドルにのぼるという。 そして、スポーツ賭博の人気が高まるにつれ、アスリートのスキャンダルが後を絶たなくなった。 6月4日、MLBはサンディエゴ・パドレスのトゥクピタ・マルカーノ選手が、自身が所属していたチームが関わる25の試合でギャンブルを行ったとして、永久追放されたと発表した。 トロント・ラプターズに所属していたジョンティ・ポーター選手も、健康情報を漏らすなどリーグの規則に違反したとしてナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)から追放された。 そして、イギリスではプレミアリーグのルーカス・パケタ選手が、賭けで友人を勝たせるために意図的にイエローカードをもらいにいった疑いで告発されている。生涯出場停止処分を受ける可能性もあると報じられている。 MLBでは他にも、ドジャースの大谷翔平選手の元通訳が自身のギャンブルでの借金を返済するために、大谷選手から約1700万ドルを盗んだとして起訴されている。 ここ数年、競技連盟や放送局がスポーツ賭博を受け入れてきたことを考えれば、選手が巻き込まれるのも驚きではないだろう。 Business Insider USのピーター・カフカ記者は以前、競技連盟はそれほど心配していないと報じている。競技連盟はこうした選手たちを喜んで犠牲にするだろうと指摘した。 悪質な行為をした者を見せしめにすることは実際、この"儲かる"産業に正当性を与えることで賭けをする人間を手助けし、そうすることでスポーツ賭博は成長し続けるだろうと、カフカ記者は書いている。
Geoff Weiss