【プロ野球監督の年俸格差】オリックス・中嶋監督、中日・立浪監督も「後任は内部昇格」の裏事情 外部招聘に比べてコスト圧縮効果が大きいとの指摘
楽天が今江監督を1年で解任できる理由
楽天の今江監督は2年契約の1年目だったが、球団は続投要請を行なわなかった。こうしたケースでは、球団は来年分の年俸も支払うことになるのだが、スポーツ紙編集委員はこう解説する。 「今江監督の推定年俸は12球団の監督では最低の4000万円。1億円が相場とされるなかで格安です。年俸が安いことも、契約期間中の解任のハードルを下げた理由のひとつではないか。辞める監督に翌年分の年俸を払っても、他球団の半分程度で済むわけですから。 阪神のような金満球団は、契約期間中でも平気で更迭する。推定年俸1億2000万円の金本知憲監督を途中解任して次年度の年俸も支払ったし、新庄(剛志)騒動で契約期間中に追いやれた藤田平監督にも支払われている」
ベテランと若手の新陳代謝にもつながる
内部昇格の監督交代によって起きる新陳代謝にも、コスト削減効果があるようだ。昨年、巨人の原監督が退任した際には、移籍組のベテランである中田翔と中島宏之が中日に移籍した。 「監督が交代すると、“新監督の構想から外れている”という理由で、前監督がFAやトレードで獲得した高額年俸の選手を切ることができ、コスト圧縮につながる。特に二軍監督が昇格すると、自分が二軍で育てた選手を使いたがる。若い選手が活躍すればベテランの出番が減り、監督1年目のオフには大幅なリストラが敢行されるわけです」(前出・スポーツジャーナリスト) 監督人事の背後では、コストをめぐる様々な思惑もありそうだ。