【速報】森友公文書改ざん訴訟 赤木さん妻が最高裁に上告 佐川元理財局長へ賠償求めた裁判 2審も請求退ける
森友学園をめぐる公文書の改ざんを苦に自殺した財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(当時54)の妻・雅子さんが、財務省元理財局長を相手取り、損害賠償を求めた裁判で、27日に雅子さん側が判決を不服として最高裁に上告しました。 【画像を見る】亡くなった赤木俊夫さんが笑顔で写真にうつる様子 財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(当時54)は、森友学園をめぐる決裁文書の改ざんを命じられたことを苦に、2018年に自ら命を絶ちました。 妻の雅子さんは、佐川宣寿元理財局長に対し1650万円の損害賠償を求めて訴えを起こしましたが、2022年11月、1審の大阪地裁は訴えを退け、雅子さん側が控訴していました。
判決は控訴棄却…「説明や謝罪すべき法的義務を課すことまでは困難」
19日、大阪高裁は「佐川氏が国有財産行政の最終責任者である理財局長という要職にあり、決裁文書の改ざん等の問題行為全般に対して責任を有することに照らすと、その違法行為に対する制裁、同様の違法行為の将来的な抑止、雅子さんの被害感情の回復等の観点からして、上記の措置等が相当かつ十分なものかについては議論があり得る。しかし、仮にこれらが不相当・不十分であったとしても、これをもって公務員の個人責任は認められないという国家賠償法の解釈を直ちに変更すべきとはいえない」と指摘しました。 そのうえで、「決裁文書の改ざんの経緯やこれに関与したことによって俊夫さんが受けた苦しみなどに照らすと、雅子さんによる説明等の要求に対しては、佐川氏において道義的責任に基づき、あるいは1人の人間として、雅子さんに対して誠意を尽くした説明及び謝罪をすることがあってしかるべきとも考えられるが、そうした説明や謝罪すべき法的義務を課すことまでは困難」として、雅子さん側の控訴を退ける判決を言い渡しました。
公文書の改ざんをめぐり、2018年に国会で行われた証人喚問で、佐川氏は「刑事訴追の恐れがあるので答弁を控える」と連発しました。 その後も、公の場で改ざんの経緯を語ることはなく、雅子さんの裁判で尋問が認められることで、”公文書改ざん問題”の実態が明らかになるのではないかと期待されていて、雅子さん側も「夫が亡くなった真実を知りたい」と、佐川氏やその部下だった財務省職員らの尋問を求めていました。 しかし、1審の大阪地裁、2審の大阪高裁はともに「尋問を実施する必要はない」として、雅子さん側の求めを退けていました。