老舗百貨店が再生へ動き出した 山形屋HD設立完了、会長にメインバンク関連会社KER社長が就任 経営陣にも外部人材「財務の透明性確保」
私的整理の一種「事業再生ADR」を活用して経営再建を目指す山形屋(鹿児島市)は28日、持ち株会社「山形屋ホールディングス(HD)」の設立手続きが完了したと明らかにした。24日付。取締役会長にはメインバンク鹿児島銀行(同市)の関連会社、九州経済研究所(KER、同市)の中元公明社長を迎え入れ、代表取締役社長には岩元純吉氏(山形屋会長)が就くとみられる。 【写真】〈関連〉グループ企業を吸収合併後の山形屋、宮崎山形屋の組織図を確認する
役員体制は7月中に開催するHDの株主総会と取締役会で正式に決定する。 経営体制を監視し財務の透明性を確保するため、経営陣(6人)には鹿児島銀行とファンド運営のルネッサンスキャピタル(東京)から1人ずつ取締役として受け入れる。山形屋の岩元修士社長はHD取締役に就任する。 山形屋HDの資本金は5400万円。組織再編では、国分山形屋や川内山形屋を含む6社を山形屋に合併するなど、グループ24社を15社まで整理。株式の譲渡と再編を終え、8月にHDの子会社とする。各社が事業に専念し、より速やかに意思決定する狙いで、グループ全体の経営戦略の決定を担う。山形屋は「外部から役員を受け入れ、組織統治を強化していく」とのコメントを出した。 HD化は、鹿銀を含む債権者の全17金融機関が合意した事業再生計画の一環。収益性向上と組織・人員体制のスリム化、不動産売却などを柱として、5年間で事業見直しと財務健全化を目指す。
南日本新聞 | 鹿児島
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