弾劾デモで「少女時代」10代参加で変わるデモ 集会はまるでフェスティバル「ろうそくは消える」アイドル応援棒も登場
「ろうそくは風で消えてしまうというので、消えないLED(発光ダイオード)ライトの応援棒を持ってきました」。8日午後、韓国・釜山市の繁華街で開かれた大統領の「非常戒厳」を批判する集会には、「応援棒」を手にした10代の若者の姿がひときわ目を引いた。 ■変わるデモ…応援棒などさまざまなグッズを活用し尹錫悦大統領の退陣を要求【写真】 握っていたのは、好きなアイドルグループの応援棒だった。色とりどりの応援棒が一斉に揺れる様子は、まるでコンサート会場のようだった。 非常戒厳の宣言以降、大統領の退陣を求める集会には10代、20代が大勢参加し、新しいデモの風景が広がっている。若者たちは応援棒を手にK―POPを合唱し、集会はフェスティバルのような雰囲気でもある。 10代の人たちは、交流サイト(SNS)でデモに関する情報を共有し、集会を盛り上げている。 韓国のバーチャルアイドルグループ「PLAVE(プレイブ)」の応援棒を持ってデモに参加したのは中学生のパク・ソンハさん(15)。「『ろうそくは風で消える』というSNSの投稿を見て、アイドルの応援棒を持ってきました。同じ思いで現場に来た人たちを見て、誇らしい気持ちになります」と話していた。 K―POPの楽曲が頻繁に使用されているのも、最近のデモの特徴だ。BLACKPINK(ブラックピンク)のロゼの「APT.」▽aespa(エスパ)の「Whiplash」▽G―DRAGON(ジードラゴン)の「CROOKED」▽少女時代の「Into the new world」―などが良く使われている。「あなたのための行進曲」や「荒野で」といった民衆歌謡も根強い人気がある。 ボーイズグループNCTの応援棒を手に集会に参加した高校生ハ・ユンソさん(16)は、「それぞれの応援棒が形や色が異なるように、(大統領の弾劾を求める)集会にも、私たち10代が考えるさまざまな声と意見が反映されています」と語った。 大人たちも変わりゆくデモ文化に驚きを隠せない。医師のノ・ドンヒョンさん(53)は「医師として、万が一の事態に備えて、これまでたくさんの集会現場に足を運んだが、本当に新しいデモ文化を体験している」と述べた。「私が学生だった30年前とは全く異なり、とても驚いている。先輩世代が引退すべきではないか、と思うほどの感慨も抱いた」と付け加えた。 ソン・ヒムン記者