世界遺産宿泊、なんと32万円 海外富裕層向けに富山県の南砺市観光協会、相倉合掌家屋1棟貸し切り
富山県の南砺市観光協会(川合声一会長)は、インバウンド(訪日)の富裕層向けに、世界遺産・相倉合掌造り集落に宿泊する特別プランを開発した。合掌造り家屋を1棟貸し切り、タクシー送迎やまち歩きツアーなどが付くプランは最大1人32万円となる。同観光協会が手がけた商品では過去最高額という。 五箇山地域の相倉、菅沼の両合掌造り集落が2025年に世界遺産登録30周年を迎える節目を控え、インバウンド誘客を強化する。 プランは1泊2日で4種類あり、いずれも合掌造り集落で宿泊し、夕食後に越中五箇山こきりこ唄保存会による唄や踊りを鑑賞できる。 最も高いプランには、通訳ガイド(英語)の案内で上梨(平)の国重要文化財・村上家や五箇山豆腐工房などを巡る「こきりこの里まち歩きツアー」や、伝統楽器のささら制作体験が付く。発着点の金沢からは貸し切りタクシーで往復する。合掌家屋で昔ながらの暮らしを体験し、五箇山の文化と歴史を存分に感じられるプランとなっている。
1棟貸しのため、1~5人の人数に応じて9万~32万円となる。最も安い宿泊とこきりこ鑑賞のみプランは4万~19万円。 同協会の担当者は「世界遺産に宿泊できること自体に価値がある。海外客に魅力を伝えるとともに、地元の人に自分たちの文化が海外客の心に響くものだと再認識してもらう機会にしたい」と話している。 申し込み受け付け中で、市と連携協定を結ぶJR東日本びゅうツーリズム&セールスと連携して開発した。