障害者差別根絶に向け新計画 政府が取り組み状況を報告
政府の「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部」(本部長=岸田文雄首相)が9月20日、首相官邸で開かれた。障害者への偏見差別の根絶に向けて策定する「新たな行動計画」と、旧優生保護法訴訟に関する取り組み状況が報告された。 本部は7月に旧優生保護法下の障害を理由とした強制不妊手術を違憲とした最高裁判決を受けて設置され、開催は2回目。 新行動計画の取り組みとしては「障害者が希望する結婚・出産・子育て支援取り組み事例集」(厚生労働省作成)を自治体、事業者などへの周知、解説動画や障害者向けリーフレットの作成を進めていくとした。 各府省庁などに対し、障害者差別解消法に基づく職員向け「対応要領」の研修・啓発に関する点検を依頼し、その結果や障害者の意見なども踏まえ、行動計画に反映させるとしている。 また、本部の下に設置した幹事会で田門浩弁護士(聴覚障害者)ら3人の有識者の協力を得ながら、障害者の意見を聞くことも報告された。 旧優生保護法訴訟に関しては、原告側と9月13日に和解合意書に調印したこと、原告以外の被害者を広く救済するため、超党派議員連盟が補償法案の骨子案をまとめたことについて説明があった。岸田首相は「新たな補償の仕組みが被害者に一刻も早く届くよう議員立法の早期提出、早期成立に向けた努力を継続していくことが重要」と述べた。