解剖にのめりこむ青年…浅野忠信主演、塚本晋也監督『ヴィタール』公開20年記念上映決定
映画『鉄男 TETSUO』『野火』『ほかげ』などの塚本晋也監督が2004年に発表した、浅野忠信主演作『ヴィタール』が、公開20周年を迎える今年、記念上映されることが決定した。現在全国7館での上映が決定しており、10月11日は池袋・新文芸坐で上映後、塚本監督のトークイベントを予定。また各劇場で、当時のパンフレットなどが販売される。 浅野忠信、20年後にエミー賞ノミネート!「SHOGUN 将軍」キャラクタービジュアル 『ヴィタール』は、記憶を失った医学生の青年・高木博史(浅野)が、解剖にのめりこむうちに現実とは異なる世界へとフラッシュする、愛と記憶の旅を描いた作品。『鉄男』『東京フィスト』『バレット・バレエ』など、それまで都市に生きる人間の葛藤を描いてきた塚本監督が、精神と肉体の謎に迫る。
浅野は、記憶のない医学生を透明感のある演技で表現する。彼を取り巻く二人のヒロインを演じるのは、バレエダンサーの柄本奈美と、女優・モデルのKIKI。さらに國村隼、岸部一徳、木野花などのベテラン俳優陣が脇を固める。
記念上映に向けて、塚本監督は「20年の時を経て、『ヴィタール』が大スクリーンに蘇ります。人間の記憶や精神はどこにあるのだろう、と実際の解剖実習にも立ち会い、考察した映画です。それまで都市の閉塞感とそこに生きる人々の葛藤を描いてきましたが、この映画で大きな自然の世界に突き抜け、後の『野火』などにつながるきっかけとなった映画になります。当時35ミリフィルムで上映しましたが、そこからデジタル化した鮮明な映像で蘇ります。鮮やかな『ヴィタール』の世界をぜひ劇場で体感していただきたいと思います」とコメントを寄せている。(編集部・入倉功一)
『ヴィタール』上映映画館(上映日程順)
・愛媛:シネマルナティック 『「ヴィタール」20年記念上映 塚本監督特集』 『鉄男 TETSUO』9月21日(土)~9月24日(火)4回上映 『TOKYO FIST』9月25日(水)~9月28日(土)4回上映 『ヴィタール』9月29日(日)~10月3日(木)5回上映 『BULLET BALLET バレット・バレエ』10月4日(金)~10月8日(火)5回上映 10月9日~中村達也のライブあり