【年収の壁】これまで「年収103万円」で働いていましたが、子どもが小学生になるので、4月から「月12万円」稼ぎたいです。扶養のままでいられますか?
子どもが産まれた場合、仕事をセーブしようと考える人は多いでしょう。そして子どもが小学校に入学したタイミングで働く時間を増やすケースも多く見られます。 ただ、ここで注意しなければならないのは「扶養」の問題です。配偶者などの扶養から外れて働こうという人であればよいのですが、働く時間を増やしても扶養のままでいたいという人は、むやみに収入を増やしてしまうと扶養から外れてしまうかもしれません。本記事で解説します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
扶養は1月から12月の年収で判断される
扶養に入れるか否かを判断する年収は、毎年1月1日から12月31日までの期間で計算されます。よって、子どもが入学する4月から働く時間を増やすのであれば、すでに働いた1月から3月の3ヶ月分と、働く時間を増やした4月から12月の9ヶ月分を足し合わせた年収が、扶養の基準(次項の6種類)の範囲内であるかどうかで判断します。
扶養の年収は6種類ある
一言で「扶養」といっても、扶養を判断するための年収の基準(いわゆる年収の壁)は6種類あります。ただし、これらはあくまで基本的な年収です。詳細な要件によっては該当しない場合もあるので注意しましょう。 ●年収100万円:住民税が発生(※1) ●年収103万円:所得税が発生 ●年収106万円:従業員数101人以上の会社で働いている場合には社会保険へ加入(※2) ●年収130万円:会社の規模問わず社会保険へ加入(※2) ●年収150万円:配偶者特別控除が減るので配偶者の税金が増える ●年収201万円:配偶者特別控除がなくなるので配偶者の税金がさらに増える ※1 住民税が発生する年収は、お住まいの地方自治体によって若干異なります。東京23区は年収100万円です。※2 2023年10月からスタートしている「年収の壁・支援強化パッケージ」を利用すると、それぞれの年収基準を超えていても社会保険の扶養のままでいられます。 タイトルの事例では、これまで年収103万円の壁を超えないようにしていた人が、4月から月12万円稼ぐということなので、月8万5000円(年収103万円を超えない月収)が3ヶ月、月12万円が9ヶ月とした場合の年収は約133万円になります。 年収150万円の壁には収まるため、配偶者側での増税はありませんが、社会保険の扶養からは外れなければなりません。8万5000円から12万円に収入を3万5000円分増加させたとしても、そのうちの半分にもなる約1万7000円は社会保険料に消えてしまいます。