美容バズワード「ペプチド」って何? 知っておきたいことを皮膚科医が解説
スキンケアの成分にある程度詳しい人なら、「ペプチド」というキーワードが少しずつ美容業界を賑わせていることに気づいているかもしれない。スキンケアからヘアケア、さらにはまつげ美容液にいたるまで、つまり、ドレッサーにあるほとんどすべてのアイテムに浸透しつつある。そこでUK版「エル」が専門家に、ペプチドがもたらす肌への効果について詳しくインタビュー。肌へのリスクが少なく、嬉しいメリットが豊富なペプチドの魅力を知ろう。
Q. そもそもペプチドとは何か?
「ペプチドとはアミノ酸が結合した短い鎖のことです」と、イギリスを代表する皮膚科医の一人、アレクシス・グラナイト医師は言う。 ペプチドはコラーゲンやエラスチン、ケラチンなど、私たちの肌に不可欠なタンパク質の構成要素であり、健康的な肌の質感、しなやかさ、弾むようなハリを維持するのに役立つ。 また、化粧品研究者で「メーダー ビューティ サイエンス」の創始者であるメーダー医師によると、ペプチドにはユニークな機能性と効果を持つさまざまな種類がある。 実際、コッパーペプチドからグルタチオンまで、何百種類ものペプチドがあるというのはあまり知られていない。さらにややこしいことに、キャリア、酵素阻害剤、シグナル、そして神経伝達物質の4種類のペプチドに分類されるという。
Q. ペプチドの働きを教えて!
「ペプチドは体内でも生成される成分です。しかし、コラーゲンをはじめとする他のいい成分と同様、加齢とともに減少します。ですが、肌に塗布すれば、ペプチドはメッセンジャーとしての働きを持つようになります。つまり、皮膚や毛の細胞に必要な機能を果たすよう信号を送るのです」とグラナイト医師は説明する。 「体内のさまざまな細胞とコミュニケーションをとることでこれらの分子は、肌の質感や弾力だけでなく、髪の成長や頭皮の健やかさなど、体内のさまざまなプロセスに働きかけてくれます。まさに必要不可欠なものとなるのです」
Q. ペプチドのメリットとは?
「ペプチドの主な利点は2つあります。ひとつめは細胞に対して正確に相互作用する働き、そしてふたつめは、類を見ない安全性です」と、自身のブランドで、長年ペプチドを採用しているメーダー医師は付け加える。 「賢く使えば、ペプチドは肌を健康に保ち、老化を遅らせ、色素沈着を抑えます。さらに、過敏になった肌を鎮静させ、肌の回復力を高めることができます」と彼女は言う。 ペプチドにおけるもうひとつの大きなアピールポイントは、その分子の小ささだ。 「アミノ酸は非常に小さな分子で、鎖状になっても小さいままです。これはアミノ酸が肌のバリア機能を傷つけない一方で、効果的に皮膚に浸透することを意味します」