「ジュエリーは私にとって母国語」 シャルロット・シェネに聞く和光とのコラボとクリエイション
シェネ:2019年前に「イエール国際フェスティバル」に招聘されたときに、ジュエリーではなく彫刻を発表した。ジュエリーはコマーシャルな要素があるもの。もっと芸術的な意味の強い彫刻を手掛けようと思った。何年も彫刻を手掛けてきている。和光のウインドーの彫刻を手掛けられることができてうれしい。
ジュエリーは私の母国語のようなもの
WWD:;ジュエリーデザイナーになったきっかけは?
シェネ:「バレンシアガ(BALENCIAGA)」でファッションのデザイナーとして仕事をしていた。クリエイティブ・ディレクターだったニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)にジュエリーを手掛けてほしいと言われた。当時、誰もジュエリーにフォーカスしてなかったから、偶然の出来事だった。だけど、それが、私にとって、突然のひらめきだった。クリエイションにおいて、ジュエリーを発見した。ジュエリーを手掛けるのは、母国語を話すのと同じような感覚だ。元々、椅子やスプーン、ティーポットなど、オブジェクトデザインが好きだった。それで、正にファッションとデザインの間のジュエリーが、ぴったりはまったというわけ。
WWD:ブランドのコンセプトや一番の強みは?
シェネ:私がジュエリーデザイナーになった当時は、そうなることがトレンドだった。たくさんジュエリーデザイナーがいたから、他のブランドとは違うものにしたかった。私は、スケッチはあまり得意ではなく、成形という方法で全て原型を作る。私にとっては、成形の方が自然で簡単。ある日、ブレスレットを作ろうと思って、iPhoneのチャージャーを自分の腕に巻き付けて、いろいろ試して形作ってからアトリエへ送ったことがある。ブランドは、私の個人的なプロジェクトのようなもの。全てのアイテムをデザインするし、私自身の反映だと思う。クラシックだけど、新しい。どこか不安的な要素がある。見続けていると、それがクラシックに見える、そんなデザイン。カーブが特徴で存在感があるけど軽さがある。ある意味、相反する要素があると思う。