廃棄物のカキ殻が高純度炭酸カルシウムに…韓国の研究チームが変換技術開発
【12月17日 KOREA WAVE】韓国で毎年約30万トンが廃棄されているカキ殻を高純度炭酸カルシウム(CaCO₃)に変換する技術が開発された。この技術が商業化されれば、廃棄物の資源化が進み、炭素中立の実現に寄与する可能性がある。 延世大学によると、化学・生命工学部のパク・ジヌォン教授のチームが95~99%の高純度を持つ硬質炭酸カルシウムを生成する方法を確立した。このプロセスでは、カキ殻を800~900度で焼成して酸化カルシウム(CaO)を得た後、これを「湿式炭酸化技術」で処理する。 カキ殻は主に炭酸カルシウムで構成される一方で、ナトリウム、シリコン、鉄などの微量な不純物を含んでいる。従来の処理技術では、これらの不純物を完全に除去して高品質素材に転換することが困難だった。 パク教授チームは、カキ殻を焼成して得られた酸化カルシウムを水と反応させて水酸化カルシウムに変換し、これを二酸化炭素(CO₂)と結合させることで高純度の炭酸カルシウムを生成するプロセスを開発した。特に、超微細気泡を用いた炭酸化技術により、二酸化炭素の溶解率が向上し、反応速度が従来の方法に比べて2.5倍以上に向上した。 この技術は、従来のCO₂直接注入方式より効率的であり、常温で反応が進行するため、エネルギーの節約効果が大きいとされる。 新技術で生成された高純度の硬質炭酸カルシウムは、ナノスケールの安定したカルサイト(Calcite)構造を持ち、プラスチック、塗料、コーティング剤、医療、食品添加物など、多様な高付加価値産業分野に適している。 研究チームは、今後この技術を大規模に適用する可能性と、さらなる工程の改善について検討を進める。パク教授は「この技術は鉄鋼、化学、農業、建築などの分野で石灰石の代替素材として活用できる。高付加価値産業に応用することで経済効果を高めたい」と語った。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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