ブルージェイズ川崎 “日本人メジャー内野手限界説”に待った!
ムネリンがこの夏、絶好調だ。ブルージェイズの川崎宗則内野手が、最高の7月を締めくくった。この日のアストロズ戦は休養日で5試合ぶりに試合に出場しなかったが、チームは最終回に勝ち越し点を奪って敵地で3連戦の初戦を競り勝ち、6連勝。ア・リーグ東地区首位のオリオールズが延長13回の末に敗れて、ゲーム差は「1.5」に縮まった。川崎は、7月22試合に出場して、84打席75打数23安打、打率.307と、メジャー移籍後3年目で自己の月間最高打率をたたき出した。 「何にも変わってないです。メジャーに来てからバッティングの状態はずっと一緒。毎日毎日が新しい日だと思ってプレーしている。しっかり練習して、準備して、試合では自信を持って臨む。それを、心掛けています。練習でやっていることしか、試合ではできないですからね」。 6月23日に内野手のロウリーが右人差し指を骨折して戦列離脱して以来、二、三塁を守れる川崎の出番が増えた。月末のレッドソックスとの3連戦は全試合にサードで先発出場した。初戦では逆方向へのマルチ安打に加えて四球を選んで大量得点の突破口を開くなど、メジャーで自己最多の1試合3得点で攻撃の要となった。第2試合では確実な犠打でチャンスを広げ4試合連続安打。第3戦はいい当たりが相手守備に好捕されるなど無安打に終わったが、守備でも活躍。存在感をみせつけた。チームは29日ロイヤルズから内野手のバレンシアを獲得したが、ロースターの40人枠を空けるためにマイナーにオプションされたのは、中継ぎ左腕のラスムセン。好調をキープする川崎の地位は全く安泰だった。 「バッティングが安定しているからね。それに、ロウリーがいなくなった今、川崎のようにチームにエネルギーを与えてくれる選手が必要なんだ。彼はとてもいい仕事をしてくれている。必要な時に必要なことができる選手なんだ」とギボンズ監督は絶賛する。打率が上がっているだけでなく、確実に小技を決める技術や相手に球数を投げさせる選球眼など、打席内容の質の高さが買われているのだ。レギュラー陣が故障した時にはマイナーから呼ばれても、復帰すれば、またオプションされていた去年とは全く立場が違う。左投手対策として獲得されたバレンシアと共に、今後もツープラトーン体制で三塁を守ることになりそうだ。英語を駆使したインタビューで一躍人気者になった去年と同様、明るいキャラクターは健在だが、今年は更に首脳陣の信頼を得ていることが伺える。