【独自】「全容は把握していないので説明はできない...」談話捏造問題で揺れる読売新聞「緊急部会」で飛び出した「驚きの言葉」と「まさかのオフレコ人事」
緊急部会で語られた中身
その日、集められたのは読売新聞大阪社会部を支える精鋭たち。 紅麴問題に関する談話捏造の掲載から約1ヵ月となる5月1日。騒動は緊急部会という現場説明会へと波及していた。 【写真】新聞部数が一年で222万部減…ついに「本当の危機」がやってきた 前編記事『【独自】「これではトカゲのシッポ切りだ…!」精鋭記者たちが激怒した読売新聞「緊急部会」驚愕の中身』につづき、読売社内で行われた緊急部会の詳細をお伝えする――。 5月1日夕刻、捏造問題で揺れる大阪読売本社の緊急部会でまず説明に立ったのは編集局長だった。 「通常の部会でも局長は参加しないので驚きました。それほど事態が深刻だという裏返しでもある。ここでようやく根っこの問題定義をしてくれるのだろうかと期待していた」(その場にいた若手記者) だが、語られたのは現場も耳を疑うほど軽率なものだったという。その場にいた別の記者が語る。 「根本的な問題解決を期待していた記者たちの前で局長は『自分が再発防止策を述べていいのか分からない』と前置きした上で『現場取材をちゃんとしましょう』というよく分からない発言をするのみ。時折、言葉に詰まるような素振りを見せる場面もありました」 続けて上層部がクギを刺したのは関係者の名前の漏洩だった。 「局長が強調したのは情報の漏洩。『今回の件に関して外部からの問い合わせがあっても、関係者の名前は言わないようにお願いします』と伝えていました。 どうしてそれが目下の対策になるのか。もっと先に取り組まなければいけない大事な問題があるはずです。社会部の一人として全く理解ができません」(参加したベテラン記者) だが、上層部による悪手はまだまだ続く。何を思ったのか、その場でオフレコ人事を発表。これがさらなる顰蹙を招くこととなる。
まさかの人事発表
「局長が『6月から新しくなる』と語ったのは次の社会部部長の存在でした。こんな場で人事の話をするなんて、とその場にいた記者全員が呆れていたと思います。 現場には『関係者の名前は明かすな』と言っておきながら自分たちはペラペラと口にする。本当に神経を疑いました」 昇進となったのは今回の捏造問題で処分を受けた一人だった。 「指名されたのは地方部長のKさん。Kさんは今回の捏造問題でも厳重注意を受けている人物です。本人はその場の挨拶でも笑みを浮かべて『内々示を受けたKです。基本は一緒なので頑張りましょう』と語るだけ。 お世話にも捏造問題の根本的な解決策まで踏み込んでいない中、次の人事、それも問題に関係していた人を据えるなんてあまりにも緊張感がなさすぎる」(前出・若手記者) 実際、K氏の社会部長の就任は5月7日、読売新聞の紙面に掲載された。 質疑応答で記者たちから飛んだのは組織体質を問う声だった。記者の一人は「意見として聞いて欲しい」と前置きした上で 「大阪には東京に比べて過剰な編集介入がある。捏造問題の背景にあるのはそれではないのか」 と力説。続いて別の中堅記者からはこんな厳しい言葉が飛んだという。 「社会部主任や岡山支局の記者にどんな思考があったのか。そこにプレッシャーがなかったのかを調べるのが本当の意味での調査ではないか」 しかし、局長から返ってきたのはあまりにも冷たい一言だった。