自力カスタムの車中泊カーに、いきなり降りかかった大災難…男一匹宝探しの北陸旅は波乱万丈
さようならソーラーパネル。この旅は、どうなってしまうのか?
仕方ない。便利だったソーラーパネルちゃん、さようなら。 力を込めて、屋根からソーラーパネルを引き剥がした。 残りのテープはかなり強力な粘着力を保っていたので、全部を剥がすのにはかなり苦労した。 まだこんなにしっかり固定されているなら、このまま走っても最後まで耐えられるんじゃないかという考えもよぎったが、やはり安全第一。 もし落下事故を起こしてしまったら、始まったばかりの旅が台無しになるので、最悪の事態を想定して最善の予防措置を取るしかない。 我がエブリイ号に積んでいるのは、『PowerOak ac50s』という500Whのポータブルバッテリーだ。このバッテリーは太陽光充電だけではなく、走行充電も可能。 だけど、どんなに走っても1日の走行で500Whをフル充電させることはできず、いつも駐車している間はソーラーパネルにつなぐという併用作戦で凌いできた。 500Whフル充電状態であれば、パソコンやスマホの充電は余裕。短時間の電気製品(湯沸かし器やミニホットプレート)の使用もバッチリだ。 だが問題は、夜中に使う暖房器具である。 車中泊をする者には、駐車中には必ずエンジンを切るという最低限のマナーが浸透している。車のヒーターには頼れないので、冷え込む夜には何らかの電気暖房器具を使わなければ寝られない。 僕の場合は、車には電気毛布を積み込んでいる。 それさえあれば、冬でも結構快適に眠ることができるのだが、電気毛布の電力消費量はかなり大きい。朝起きる頃には、フル充電した500Whモバイルバッテリーがすっからかんになっていることが常だった。 つまりソーラーパネルの死は、今後の旅にとって暗雲垂れ込めるような、由々しき事態であることは間違いなく、僕は鬱々とした気分になった。 しかしウダウダ考えていても仕方がない。 旅はまだ始まったばかりだ。 僕は気持ちを切り替え、外したソーラーパネルを車内の板張りの天井裏に仕舞い込み、先を急ぐことにした。