高野連 7回制本格議論スタート「部員をより健康に」今年中の結論見送りの可能性にも言及
日本高野連が10日、「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」を始動させた。大阪市内で開かれた初回の会議には、同連盟の宝馨会長や正木陽技術・振興委員長、U18高校日本代表監督の小倉全由氏らが出席し、同連盟の北村雅敏副会長が座長に選任された。 同会議では、昨年に4度開かれた「高校野球7イニング制に関するワーキンググループ」で整理した7回制の長短所をもとにし、高校野球に7回制を導入すべきか否かを議論していくことになる。 同会議は月1回程度開かれ、12月に開かれる理事会で7回制導入可否に関する対応策の提出することになる。 この対応策について、同連盟の井本事務局長は「導入をする、しないの2択ではないかもしれない。議論継続となる可能性もあるが、12月の理事会に何かの対応策は出す」と見通しを明かした。 以下は高野連・井本事務局長との一問一答。 ――ワーキンググループとの違いは。 「ワーキンググループ設置の目的は、もし7回制を取り入れたら場合のメリットやデメリットや、海外ではどうなっているのかを整理して報告することだった。今回の会議は報告ではなく実際に踏み込んで、実施するかしないかを検討する会議になる。最終的には理事会での審議になる」 ――7回制を議論していくことの意義。 「話し合いをしていくと決めた責任を持って進めていきたい。部員の健康対策や障害予防(が目的の一つ)。肩肘だけではない体全体の障害予防や熱中症対策を含め、部員により健康に、きちんとした条件の中で高校野球をやってもらいたいというところが大きな主眼。気候変動や運営されている指導者、学校教員のみなさんの働き方改革に対応していくためにも、何をしていけばいいかを一年間かけて考えていきたい」 ――現場の声はどうか。 「反対の方も賛成の方もいらっしゃる。いろんな思いを理解した上で、これから先、次の世代につなげていくためにどうすればいいかを意識してやっていかないといけないと考えています」 ――DH制なども検討するのか。 「12月の理事会でビデオ検証も検討していこうと決まった。7回制やビデオ検証、DH制についても検討していく一つの項目ではある」