JUNKO KOSHINOの赤内装 & 小西良幸(ドン小西)のオープンカー、2台のアルシオーネ。そしてレガシィへ続く1台|第27回 東京モーターショー1987 ホンダ、スバル編
東京モーターショーと言えば、新技術をお披露目する最適な場であるが、1980年代のホンダはさほどこのイベントに積極的ではなかった。市販車を中心に展示し目新しさはあまりなかったが、第27回東京モーターショーではF1レースで実際に使われた車両を展示し来場客の注目の的になっていた。 【画像11枚】スバルは第27回の東京モーターショーに2台のアルシオーネ2.7XVを展示した。ひとつは島田順子さんが手掛けた真っ赤なインテリアのアルシオーネ、もうひとつは小西良幸さんが手掛けたオープン仕様のアルシオーネ 【第27回 東京モーターショー1987 ホンダ、スバル編】 販売は苦戦していたが、華やかだったのは富士重工業、スバルだ。コンセプトカーの筆頭は、近い将来に実用化される新技術を満載したエストレモF624である。F6は水平対向6気筒のフラット6、2はツインターボ、4は4バルブを略したものだ。 1991ccの水平対向6気筒DOHCツインターボはドライサンプ方式だった。4WDシステムは油圧多板クラッチによって前後のトルク配分を連続可変させるVTD方式だ。これは後にレガシィに搭載されている。また、4輪操舵の電動4WSや電動モーターによるパワーステアリングも採用された。これらの技術の多くは、後のスバル車に採用され、日の目を見ている。 ちなみにショーカーとは違うが、上質な水平対向6気筒エンジンを積んだ量産車がアルシオーネ2.7XVだ。ショーには著名なファッションデザイナーがドレスアップを手がけたアルシオーネを2台並べて出品した。1台は島田順子さんがデザインした真っ赤な本革シートを装備したモデル、もう1台は小西良幸さんが手がけたオープンのアルシオーネである。 ボディカラーが鮮やかだったこともあり、評判を呼んだのがジョーカーだ。社内のデザインコンペで入賞した作品で、若手デザイナーが思いの丈をぶつけて造り上げた。オープン2シーターの軽自動車をテーマとし、内部が見えるドアやカバーで覆ったリアタイヤなどが注目を集めている。ボディカラーにはいろいろな色を散りばめた。エンジンは軽自動車の4気筒だ。これをミッドシップに搭載し、駆動方式はスバル自慢の4WDを採用する。 商用車館には、次世代1BOXのBLTを展示した。車名はビジネスにもレジャーにも使えるトランスポーターの意味だ。ターボエンジンにECVTを組み合わせ、駆動方式はフルタイム4WDである。4輪操舵の4WSも組み込むなど、最先端をいくメカニズムをてんこ盛りしていた。 初出:ハチマルヒーロー 2017年3月号 Vol.40 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部