「安島モッコ刺し」有志団体、三国高校生徒の作品展示 坂井市三国町のカフェ、12月22日まで
福井県坂井市三国町に伝わる刺し子技術「安島モッコ刺し」の作品展「繋(つな)ぐ糸・つながる刺し子」後期展が12月22日まで、同町のカフェmicnicで開かれている。「安島モッコの会」会員や三国高生たちの作品が並び、技術の次代への継承の軌跡を紹介している。 安島モッコ刺しは目の細かい幾何学模様が特長。海女たちが作業着の補強や保温のため布を当て糸で縫っていたが、戦後ほどなく途絶えた。地元の美容師坂野上さんが技術を研究し2016年に復活。地元有志と同会を結成し、現在市内外の約20人で活動する。 会長の坂野上さん以外の会員の作品展示は今回初めてで、約10人が着物やタペストリー13点を展示。使わなくなった布地などを生かし物を大切にする心を伝える。坂井市の女性は古い着物に、赤糸による伝統的な「紋刺し」で模様を付けた。着たときに一体的に見えるようデザインした。 また、地元文化を途絶えさせないようにと、技術の学習や普及に取り組む三国高から、1年生40人が家庭科の授業でそれぞれ制作した紋刺しで模様を付けた直径5センチの針山を展示。箱やかごにまとめてタペストリー風に飾り、来店者の目を引いている。 会員が制作した小物類の展示販売、安島モッコ刺し体験もある。木曜日と金曜日が定休日。