ひろゆきはなぜ、再び世界の果てに“置いていかれた”のか? 東出昌大と語る“番組の裏側”
2023年、ABEMAにて配信された『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』の第2弾が2024年5月18日からスタートした。 【写真】再び世界の果てに“置き去り”に ひろゆきと東出昌大の撮り下ろしカット 本作は、日本最大級の匿名掲示板「2ちゃんねる」の開設者であり、現在はコメンテーターなどとして活躍する西村博之こと“ひろゆき”を世界の果てに置き去りにしたらどうなるかを追ったドキュメンタリーバラエティ番組。前回の放送では、途中から旅路を共にした俳優・東出昌大との名バディっぷりがSNSを中心に話題に。多くの視聴者に2人の新たな一面を見せるきっかけとなった。 そんな“名バディ”であるひろゆきと東出が再び旅をしたとのことで、インタビューを実施。旅の思い出や、ふたりが考えるSNSとの向き合い方などについて話を聞いた。 ・南米に“置いていかれて”キツかったこと ――前回の旅を終えた直後「もうこの布陣で旅をしたくない」or「またすぐ行きましょうよ」だったのかで言うと、どちらでしたか? 西村博之(以下、ひろゆき):僕は「(次が)あるんだったら、全然やりますよ! スケジュールが空いていれば!」って感じでしたね。 東出昌大(以下、東出):僕は正直「もう嫌だわ」って思っていました。ここのスタッフさんたち、マジで適当だから(笑)。それに環境的にもきつかったんですよね、アフリカ旅。いざ行ってみたら、今回の南米旅の方が倍以上にキツかったですけど。 ――前回も相当キツそうでしたが、南米旅はどんなところがキツかったんですか? 東出:食べ物が合わないことも多かったのと、あと寒暖の差、標高の高低差、移動距離……すべてですね。「もうタンクトップも脱ぎ捨てたい! 真っ裸で歩きたい!」と思うほど暑かった翌日には「長袖長ズボンじゃなきゃ外を歩けない」みたいな感じで。その差が大変でした。 ひろゆき:たしかに、寒暖差とか標高差のしんどさは伝わりづらいですよね。海沿い0mのところにいたはずなのに、泊まるのは標高3000mの場所ですみたいなこともあったし……まぁ、僕はそんなに気にならなかったんですけど! 東出:出た~! すぐ「キツくない」とか「平気」とか言うんですよ! ――番組通りのイメージです(笑)。ひろゆきさんは長距離移動も平気だったのでしょうか? ひろゆき:距離も時間もたしかに長いんですけど、アフリカ旅のときに乗った、どこから拾ってきたかわからない中古のバスとは違って、割とちゃんとしていたんですよね。シートがぶっ壊れているところもなかったし、リクライニングしないのがたまにあったぐらいで。そんなに気になりませんでした。 東出:いや、でも快適からはほど遠いですよ? 僕、この前、東京から名古屋行きの高速バスに乗ったとき、空調は効いているし、USBも使えるし、リクライニングもサスペンションも当たり前のようにあるしでめちゃめちゃ快適でしたもん。今回の旅で感覚がバグっているだけで、本来の快適さってこういうレベルだと思います。 ・銃社会に整っていないインフラ……目標は「生きて帰ること」 ――いざ行き先が決まったときのお気持ちは? ひろゆき:正直、行くかどうかわからない感じだったんですよね。エクアドルがスタート地点だったんですけど、非常事態宣言が発令されていたので。 東出:僕は「第2弾がある」って聞いたときに、一度お断りをしたんです。でも、豊川さん(※)が行くならいいかなと思って、場所を聞いたら「北極圏か中東」って言っていて。それを聞いた時に「中東は魅力的だな。じゃあ行きます」と渋々答えました。そしたら、出発の2週間ぐらい前に「南米になりました」って言われて……。話が違うじゃんって(笑)。 (※)本番組でひろゆきと東出に帯同するディレクター。 ひろゆき:相変わらず、ひどいですね~。 東出:いざ行ってみてからも、銃社会の雰囲気を感じました。「外でタバコを吸っているときは、絶対に携帯を出すなよ」と言われましたね。「銃を突きつけられて持ってかれるから」って。 ひろゆき:そうそう。襲われそうになるかもしれないから、なにかあったら、すぐに入れるようにホテルのドアの近くにいるようにして。携帯を出さないという選択肢しかない都市もありましたね。 東出:目標が「生きて帰る」でしたから。実際、バスで道の悪いところを走っていたときに「この道、先月バスが通ったときに30人死んだんだ」とか言われたこともありましたし。 ひろゆき:道の状態が悪いままなんですよね。南米って、飛行機移動をする人が多いので、山のなかをバスで行く人が少ない。だから、舗装もしないしガードレールもないしっていうところも多々あって。「これタイヤ乗ってないんじゃね?」みたいな道をギリギリで通ったことも何度かありました。 ――今回は東出さんがまず旅に出て、途中からひろゆきさんが合流するという行程だったと聞いています。 東出:それも本当にひどい話で。豊川さんが「あ、そう、今回、ひろゆきさん来ないんです」って言い出して。ひろゆきさんが来ると思っての装備だったから焦りました。 ひろゆき:でも、来るってわかってたでしょ? 東出:「いつか来るだろう」とは正直、下心で思っていました。目隠しをされてスタート地点まで移動させられたので、そこに実はいるんじゃないかなって。でも、いざ目隠しを取られたら、いらっしゃらなくて。「嘘だろ!?」って焦りましたね。だから、お会いできたときは本当に嬉しかったです。 ひろゆき:そうなんだ! そんな騙されやすいわけねえだろうと思ってましたけどね(笑)。 ――先ほど、東出さんが「豊川Dが来るなら」っておっしゃっていたのが印象的でした。なぜそう思ったのでしょう? 東出:やっぱり前回の旅で育んだものがありますから。もしも、全然タイプが違う、すごい気が使えて、全部準備万端で、配慮できる方が来たら、それはそれで僕らのいままでが全部なくなっちゃうんじゃないかなと(笑)。 ひろゆき:適度に使えないというところが良かった(笑)。おかしなことをやっているときは「おかしいですよ」とは言いますけど、不満もなかったので。 東出:(笑)。豊川さんも、打てど響かないですしね。たぶんあんまり気にしてらっしゃらないんだろうな。 ひろゆき:実際、スタッフ全員まったく一緒でしたけどね。考えてみれば「ここから1ヶ月です」って言われて、スケジュールが空いていてかつ予防接種をすでに受けている人って、そんなにいないですから(笑)。予防接種を全部受け終わるのに半年ぐらいかかるのでね。 東出:たしかに! 日本中探して、その条件が合う業界人って、彼らくらいですもんね。 ・パリのひろゆき&山の東出 移住したふたりの“SNSとの距離感” ――前シーズンはABEMAではもちろん、SNS上で切り抜き動画が話題になっていました。周囲からの反響はありましたか? ひろゆき:残念ながら日本に住んでいるわけでもないので、あまり変わらずでしたね。海外から「ABEMA」を見れないんですよ。 東出:僕もなにも変化なしですね。近所に住んでいるおじいちゃんおばあちゃんに「なんでこの前いなかったんだ?」って言われてました。だから、「テレビの企画でアフリカに行ってたんです」って言ったんですが、みんな分からなさそうな顔をしましたね。 ――なるほど(笑)。SNS上での声は届いていましたか? ひろゆき:動画のコメントは見ていますよ。東出さんに対しての印象が、だいぶ現実寄りになったなと思いました。すぐに殺して食うとか、タバコの葉っぱを巻くのが異常にうまいとか……。 東出:僕、紙の巻きたばこを吸ってた時期があったのですが、それと原理が一緒だっただけなんですけどね。 ――おふたりとも良い意味でSNSに惑わされすぎることなく、ほどよい距離感を取られているんですね。その程よい距離感を取るために意識していることはありますか? ひろゆき:僕、なにを見ても気にならないんですよね。僕に関しての記事やコメントを見ても「この人はこう考えて書くんですね、ふうん」ってくらい。明らかに嘘な場合は「本当はこうだよ」って言うこともあるんですけど、あんまり気にならないです。 東出:ひろゆきさんは、たぶんもともとのリテラシーがしっかりしてらっしゃるんですよ。ただ、僕は生まれたときや、物心がついたときからSNSがあることが“当たり前”になっちゃっている世代は、大変だろうなと感じています。「いいね」とか、再生回数とか、可視化できる情報が価値判断基準になっているのって大変だろうなって。 本当は数値化されないところ、たとえば人との繋がりとか、交わした時間の濃密さとかにもおもしろさがあるはずなのに、それを知ることなくいきなりSNSだったわけですもんね。 ――なるほど。 東出:だから、僕はマジできつかったら離れちゃって良いと思います。その先にある人生の楽しさ、濃厚な部分もあるし、離れることって恐怖じゃないので。人間のぬくもりがある世界は、それはそれでおもしろいよと、SNS疲れしている人には伝えたいですね。 ひろゆき:真っ当なことをおっしゃる。 東出:これは、僕がSNSを使えない側の人間だから。アドバイスと見せかけた自己保身なんですよ(笑)。 ひろゆき:たしかにプラットフォームにもよりますけど、Instagramとかはキラキラしたシーンしか載せませんからね。そういうのを見ていると、友達みんなが海外旅行して、おしゃれな服を着て、おしゃれなカバンを持っているふうに勘違いしちゃうけど、そういう瞬間しか載せていないというのは意識した方がいいかも。 東出:たしかにそうですね。 ・お互いの好きなところ、別の番組をやるなら? ――お話を聞いて、改めて“名バディ”だと感じました。旅をしたからこそわかる、お互いの魅力や知らなかった一面を教えてください。 東出:ひろゆきさんの目の前で褒めるの、恥ずかしいなー! ひろゆき:僕は、東出さんにもモテないときがあるってわかったのが収穫でした。ペルーに行って、現地で仲良くなった人とナンパすることになったときに、女の子に話しかけたら「背が高すぎてキモいからいやだ」って言われていて……。 ――ええ! 世界ってわからないものですね。東出さんから見たひろゆきさんは? 東出:やっぱりね、体が強いですよ(笑)。心の底から僕が悲鳴を上げて「きつくないですか?」って聞いても、「いや、全然」って返ってくるから「もう! きついでしょ! ここは!」って何度も思いましたもん。 ひろゆき:僕、フランスと日本の往復で15時間飛行機に乗る生活を月1ペースでしているので、10時間バスで移動するくらいじゃ全然気にならないんですよね。 あと東出さんの良いところもありました! 解体したことがない動物の身体の構造を把握して解体するのが上手!僕はもうちんぷんかんぷんでしたから。 東出:なんちゅう会話ですか(笑)。 ひろゆき:それから、耐久力高いですし、弱音を吐かないし、現地の人に失礼なことをしない。そういうラインが僕と似ているので楽だなと感じました。八方美人ですよね。 東出:そうですか? 僕、遠慮がないというか、ひろゆきさんがひどいこと言ったと思ったら「ひどいこと言いますね」って言っちゃうから八方美人とは違う気がしますけど。 ひろゆき:そっか! たしかに。 東出:八方美人もすごい才能ですけどね。 ひろゆき:でも役者だからやろうと思ったら、いくらでもできるんじゃないですか? 東出:いや、台本があるならやりますけど、プライベートじゃできないですね。 ひろゆき:でも怒ったのは、前回も今回も見てない気がしますよ。他人に対して感情をぶつけるみたいなことは、今まで見たことがない。だから、なにしても許してくれそうだなって。 東出:おー、怖い怖い(笑)。 ――それはいち視聴者として、ひろゆきさんにも感じました。 ひろゆき:僕は、ずっと楽しかったんですよね。別に過酷でもなかったですし。 ――なるほど。最後に、おふたりがこの番組以外でタッグを組むとしたら、どんなことがしたいでしょう? 東出:……いいんじゃないですか? ここだけで。 ひろゆき:(同番組プロデューサーの)高橋(弘樹)さんが絡むと、おそらくどこかに旅行に行かせられるでしょうね。 東出:たぶん僕らって相当変わっているので、高橋さんのまな板の上にしか乗らないと思います。 ひろゆき:あの~……僕は普通なんですけど……。 東出:よう言うわ!(笑)
於ありさ
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