<【推しの子】>変わり果てたあの人と絶望の再会「想像しうる中で一番キツイのだが」
アニメ「【推しの子】第2期」(毎週水曜夜11:00-11:30ほか、TOKYO MXほかにて放送/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほか)の第二十三話「再会」が放送された。転生前のアクア(CV.大塚剛央)とルビー(CV.伊駒ゆりえ)の故郷、そしてアイが2人を出産した地、宮崎県の高千穂。何かが起こることは予想していたものの、突きつけられたラストの衝撃シーンはエグすぎた。(以降、ネタバレが含まれます) 【写真】新キャラクターのアネモネ・モネモネ。キャストは石井杏奈 ■両親を知らない酷薄な生い立ちだったゴロー 転生前のアクアとルビーの悲しい過去、ホラーすぎるゾッとした展開が衝撃を残した今話のエピソード。印象的だったまず1つが、アクア=雨宮吾郎(ゴロー)、ルビー=天童寺さりなの生い立ちだ。 黒川あかね(CV.石見舞菜香)を伴い、アクアはゴローが勤めていた病院を訪れる。15年前、この病院で産婦人科医として働いていたゴローは難病で入院していたさりなに付き添い、妊娠してやって来たアイの主治医となり、そして、病院からの夜道で何者かに殺された。 ゴローの痕跡を辿にりきたアクアだったが、病院では連絡がつかなくなって退職扱い。殺された山道からはもちろん遺体は消えており、以前ルビーが調べていたように、おそらく失踪扱いで事件化されていないのだろう。遺体が埋められたのならお手上げだと、無理に死者の墓を暴かなくてもいいだろうと諦めたアクアが次に向かったのは、自分の生家だった。 ■アイの赤子は死産だった? 自分の知人の家と装って、あかねにここで暮らしていたゴローについて話し出すアクア。親に妊娠を隠して自宅で出産したゴローの母は、出産時の出血で死亡。父親が誰なのかも分からないため、ゴローは高千穂で暮らす祖父母の家に預けられ、育ったのだという。今までゴローの印象と言えば、さりなに付き添う優しい医師。重度のアイオタクというものだったが、実は彼の生い立ちにも酷薄な不幸があったのだ。 産婦人科医であるゴローが担当患者ではないさりなに寄り添っていたのは、医者としての気持ちより、そうした両親のいないつらさを知っていたからなのかもしれない。さりなの両親は都会で働いていたため見舞いに来ることはほとんどなかったようで、回想でさりなのそばにいるのはいつもゴロー。さりなの容態が悪化して、死ぬかもしれないというときですら両親は帰って来ず、看取ったのはゴローだった。 ゴローの生い立ちとさりなの最期について、SNSには「実際こういう親っていそうで悲しい」「ゴローもさりなも幸せのカケラも見えないのがつらい」といった感想が並ぶ。 また、このときインサートされた謎の白い髪の少女の言葉も意味深だった。「魂のない子を産んだ母を導いてあげた」というのは、やはりアイの赤子のことなのか。否が応でも「死産、魂、転生」といったワードが頭に浮かぶ場面となる。SNSでも「本当は死産だったところに2人が転生した?」「神様は優しいって、転生させて母親の愛情を与えたということなのか…?」など、視聴者による考察が盛んに行われるシーンとなっていた。 ■祠の洞窟で見つけた白骨死体 さらに今話の衝撃シーンとなったのは、ラストのときだ。その日の夜、ルビーはあかねとホテルに帰る道で、大好きなゴロー先生への想いを打ち明ける。ゴローはさりなにとって、生きる意味をくれた人。今はどこにいるか分からなくても、ゴロー先生なら新生B小町が誰もが知るアイドルになれば、きっと見つけてもらえる。それがルビーがB小町にこだわり、アイドルを目指した理由だ。 しかし、カラスを追って見つけた洞窟の奥で、ルビーは信じられないものを見つけてしまう。そこにあったのは白衣を着た白骨死体。死体と一緒にあったのは、さりながゴローにあげた、アイの激推しキーホルダーだった。 この衝撃のラストシーンにはSNSでも悲鳴があふれ、「『再会』のタイトルで絶望を叩きつけられるのほんま推しの子」「想像しうる中で一番キツイのだが」「ここにきてエグい展開ぶっこんできた」などのコメントが続出する。 病院からの山道で殺されたゴローの遺体をここに運んだのは、やはり犯人なのだろうか。アクアとルビーの2人から雨宮吾郎についての情報を得たあかねは2人をつなぐ何かに気づきそうな気もするが、それ以上に気掛かりなのはルビーの状態。16年間、手を伸ばし続けた人が亡くなっていた。しかも、明らかに普通の死ではない。このあとのルビーの行動に注目が集まる。 文:鈴木康道