過去といま、そして百年後を繋ぐ『白子芸術祭』をリポート。
建築案内の後は、白子町で有名な白子玉ねぎのローストや蛤のお吸い物をはじめ、食材のおいしさを最大限に活かした料理の数々をいただいた。
庭で採れた筍の煮付けなど、地産地消のラインナップは食べると心も体も元気になることを実感。酵母入り日本酒やワインとペアリングすると、おいしさも数倍に。
敷地内にある小屋では、写真家・蓮井幹生とのポートレートプロジェクト"SILHOUETTE" のスピンオフ企画『SILHOUETTE in Shirako』が展示されている。白子町に住む方々のモノクロポートレートと、その方にまつわる場所の風景写真が対峙するように展示されている。 100年後、私たちが未来に残せるものは何か?残るものは何なのか?日本での人々の暮らしについて考える必要があると感じるプロジェクトだ。忙しない毎日の中で一度足を止めて、まずは身の回りの衣食住を大切にし、先祖から受け継いできた慣習や考え方を今後に引き継いでいきたいと思う藝術祭だった。白子藝術祭に限らず、また公開される機会があればぜひ訪れて。
長嶋りかこによるブックデザインの白子藝術祭公式図録も販売中。白子藝術祭の舞台となった 国登録有形文化財「シラコノイエ」を写真家、高野ユリカが撮り下ろした写真を掲載。隈研吾、高橋悠介、大田由香梨がそれぞれの視点で建築、ファッション、食の未来と暮らしを語る寄稿付き。ひとつひとつ、白子町の住民が棕櫚縄で束ねた、心込められた一冊だ。