過去といま、そして百年後を繋ぐ『白子芸術祭』をリポート。
千葉県東部、海沿いに面する白子町では、千葉県誕生150周年記念事業として『白子藝術祭』が4月27日(土)から29日(月・祝)にかけて行われる。プレスプレビューの様子をリポート! 藝術祭の舞台となるのは、白子町にある「シラコノイエ」。築190年となる古民家で、国登録有形文化財にも登録されている大きな屋敷を、隈研吾が3年かけて修繕設計。「シラコノイエの原点は、"かつての暮らしの中にあった、いまなお新しい暮らしの在り方。初訪のとき、この旧・大多和家に感じたエレガントで質感のあるくらしの所作。それをいま一度仕立ててみたい"という思いからでした」と隈研吾は語る。 「この前まで蛙が鳴いていたのに聞こえなくなったなとか、暮らしながら季節が感じられることが愛おしい」と語るのはシラコノイエの主、大田由香梨。ファッションスタイリストを経て、現在はライフスタイリストとして活躍。平日は東京、週末はシラコノイエで過ごす2拠点生活を送っている。 今回の藝術祭の大きなテーマは、生活の根幹である「衣食住」。どんな家に住み、どんな服を纏い、どんなものを食べるのか。そんな日々の生活の積み重ねがその人の人生を紡ぐと考え、それらを囲む要素にアートを見る試みだ。その裏には「暮らしそのものを藝術と捉え、物質そのものが語り醸すものに静かに耳を傾け、自身の感受性に種を植えてほしい」という主催者側の想いが潜んでいる。 白子藝術祭は"衣食住の体験型展示"となる。衣食住にまつわる、その道のプロ3人のクリエイティブに触れることができる。
"衣"の部分は、CFCLのデザイナー高橋悠介が担当。カプセルコレクション「Shadows」の展示と、写真家・蓮井幹生とのポートレートプロジェクト"SILHOUETTE"のスピンオフ展示『SILHOUETTE in Shirako』を発表。 "食"の部分は大田由香梨が担当。白子町の豊かな食材、敷地内で採れた野菜で作った旬のご馳走をシラコノイエの中で味わうことができる。 "住"の部分は建築家の隈研吾が担当。隈が修繕設計した「シラコノイエ」の内部を実際に巡り、生活空間を体感できる。