韓国で最高視聴率29.2%を記録、ソ・ジソブ&イム・スジョンによるラブストーリー「ごめん、愛してる」の見どころを紹介
BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)では、韓国で2004年に放送され最高視聴率29.2%を記録し社会現象を巻き起こした韓国ドラマ「ごめん、愛してる」(全21話)を、9月2日(月)朝10時から毎週月~金曜に放送。日本でのBS放送は約10年ぶりとなる。決して報われることのない無償の愛に多くの視聴者が涙した本作のストーリーや見どころについて紹介していく。 【写真】涙を浮かべてまっすぐ前を見据えるイム・スジョン“ソン・ウンチェ” ■放送終了後に“ロス”に陥る人が続出…流行語も誕生した「ごめん、愛してる」 本作は、チャ・ムヒョク(ソ・ジソブ)とソン・ウンチェ(イム・スジョン)の2人の男女が、それぞれ背負った運命に翻弄されながらも、お互いを強く想う愛の力が描かれるラブストーリー。原題「ミアナダ サランハンダ」の頭文字を取って“ミサ”という略称で親しまれ、ドラマが終了するとその喪失感でなにも手に付かない人を指す“ミサ廃人”という流行語が生まれるほど人気を博した。ちなみに日本でも、2017年に長瀬智也主演でリメイクされている。 そんな本作の主人公・ムヒョクを演じたソ・ジソブは、卓越した演技力で韓国でトップスターの座に上り詰めた実力派俳優だ。本作は彼の代表作でもあり、KBS男性優秀演技賞や人気賞などさまざまな賞を総なめにした。 そしてヒロインのウンチェを演じるのは、2003年に主演を務めた映画「箪笥」で青龍映画賞の新人女優賞を受賞した女優イム・スジョン。そのほかにも、映画「サイボーグでも大丈夫」や「僕の妻のすべて」など数多くの作品に出演し、存在感を示している。 作中ではこの2人の相性は抜群で、お互いを強く想う気持ちが痛いほど伝わってくる。その結果、KBSベストカップル賞を受賞し、当時ネット上では、作中の2人の名前の頭文字を取って“ム・チェカップル”と呼ばれていた。 ■異なる境遇の2人が運命的な出会いを果たし、惹かれ合う…「ごめん、愛してる」あらすじ 幼い頃オーストラリアへ養子に出されるが、養父母に捨てられストリートチルドレンとして育ったムヒョク(ソ・ジソブ)。彼にはジヨンという恋人がいたが、彼女は金目当てで別の男との結婚を決める。これに納得がいかないムヒョクはジヨンの結婚式に乗り込み、彼女を車で連れ去ろうとするが失敗。その後、新郎新婦を狙う殺し屋が放った銃弾を受け、ムヒョクはジヨンを守る。奇跡的に一命を取り留めたものの、責任を感じたジヨンはムヒョクに巨額の金を渡し「祖国(韓国)に帰れ」と告げ彼のもとを去って行くのだった…。 ムヒョクは自分を捨てた実母のいる忌々しい韓国へ戻り、唯一の手掛かりとなる指輪を頼りに、“尋ね人”のワイドショーに出演するなどして実の母親を探す。ムヒョクの実の母親はオ・ドゥリ(イ・ヘヨン)という往年の大女優で、ムヒョクを含めた2人の子供を捨てた過去があった。ドゥリは不愛想で乱暴なムヒョクを実の子だと知らないまま再会し、最初は嫌悪感をあらわにするが、彼女は何かとムヒョクが気になる様子。そしてムヒョクは最終的に、自分の出生に関する衝撃の事実を知ることになる――。 一方、ミュージシャンのユン(チョン・ギョンホ)を一途に想い続けている彼のスタイリストのウンチェ(イム・スジョン)は、いつかユンが自分の気持ちに気付いてくれるだろうと、彼を見つめるだけの生活を送っていた。しかし肝心のユンは素行の悪い女優のミンジュにぞっこんで、やるせない思いを抱えていた…。ある時、ユンの仕事でオーストラリアへ行ったウンチェは、街のごろつきに荷物をすべて取られてしまう。そんな中、泣きじゃくるウンチェを助けたのは、チンピラ生活をしていたムヒョクだった。最初は金目当てにウンチェを売り飛ばすムヒョクだったが、結局ウンチェを危険なオークション会場から救い出すことに。 その後帰国したウンチェは、ひょんなことからムヒョクと再会。2人はお互いに激しく惹かれ合っていく――。 ■視聴者の心を動かすソ・ジソブの演技とOSTに注目 2004年に放送された本作は、“海外へ養子に出す”という当時の韓国の時代背景を反映させた設定が組み込まれている。当時韓国では、朝鮮戦争における戦争孤児の救済をきっかけに始まった海外養子縁組が推奨されており、子供を養子として海外に出すケースが多かったようだ。 現在でも映画やドラマなどのストーリー設定になっていたり、養子自らがテレビに出演し肉親を捜す“尋ね人”のコーナーがワイドショーでも取り沙汰されている。当時の韓国の社会的背景を物語に組み込むことで、登場人物の描写にリアリティをもたらしている。 まずはなんといっても、ムヒョク役を務めるジソブの繊細な演技に注目したい。“尋ね人”として番組に出演したムヒョクが「きっとやむを得ない事情があったんだろう」「再会したら親孝行してやるから」などと語るシーンでは、自分を捨てた母親に対する“複雑な気持ち”を見事に表現している。 また、恋人のジヨンにも裏切られ、愛を知らないムヒョクが奮闘する姿からは、実母の愛情を無垢に追い求め、どれだけ辛い目に遭っても母親を信じていたいという気持ちが切に伝わってくる。同作の脚本を担当したイ・ギョンヒ氏も、ソ・ジソブの演技について「素直な気持ちが生きている俳優だと感じていましたが、実際はそれ以上」と絶賛していた。 さらに本作では、OST(挿入歌)も注目ポイントの一つ。涙を誘うシーンで中島美嘉の代表曲「雪の華」のカバー曲が使われており、感動や切なさといった視聴者の心を動かす演出は、作品に深みを与えている。 “決して報われることのない無償の愛”が織りなされる「ごめん、愛してる」。韓国ドラマ好きはもちろん、多くの人々の心を打つ作品となっている。