虎のソナタ みんなすっかり藤川球児監督の虜 マスコミとのつなぎ役は元虎右腕・鶴直人氏
記者会見は2つに分けられることが多い。簡単に言えば、テレビ用と新聞用。ペン記者に対して話した内容は撮影NGで、これを囲み取材という。カメラが回っていないと突然無愛想になって横柄な態度をとる人はいる。〝本当〟の姿が出やすい。 【写真】バース氏の肩に手を添えながら登場し、虎党の歓声を浴びる藤川氏 藤川球児新監督の就任会見。写真撮影も終わって、囲み取材へ。球児監督は壇上からわざわざ降りてきた。周囲が椅子を整理してスペースを作ったが、あまりの報道陣の多さに驚きながら、一部のベテラン記者に「どうぞ座ってください」と席を譲った。そして、最後は立って取材に応じることに-。 囲み取材が終わると、背中越しに耳をダンボにしながら聞いていた還暦虎番のビヤ樽三木建次を発見。「引退、お疲れさまでした!」と握手を求めてきた。三木はこういう突然のフリに弱い。機転の利いた言葉を発することができず「いや、違う、違う」と泡を吹きながら現役続行を言っただけ。「え、まだやるの?」。それでも三木は本当にうれしそうだった。 そのまま帰社すると、噂を聞きつけた運動部長の堀啓介が「三木さん、すっかり心をつかまれましたね」と近づく。すると、三木は「球児監督とは人生設計についてずっと話をしてきた仲や。『人生100年時代ですよ。70歳まで記者で頑張って』と言われていたんや」とネクタイをグイッと締めて鼻息を荒くしていた。そして、もう一人、この日の会見に駆け付けたのは現役時代に球児番だったデスクの川端亮平。他社の記者から「来季のキャップを志願か?」と茶化されながらも球児監督から「元気? よろしくね」と柔らかく声を掛けられて満面の笑み。虎番もデスクも球児監督の優しさにホロリ。すっかり心を奪われてしまった。 球児監督は自身のYouTubeチャンネルの更新を停止することを14日に発表。そのことを問われると「これからはプロがいますから」と記者の顔を眺めて言った。 「テレビの前でもラジオを聞いていても、新聞を読んでも、おもしろいなと言われるチームを作りにいきます」 テレビ、ラジオだけじゃなく、新聞とはっきり言ってくれることもうれしい。マスコミも戦力だと星野仙一元監督も話したように、われわれも来季のV奪回への戦力だ。