神奈川から能登へ“留学”も 生き残りをかけ石川県内の公立高校で増える「全国募集校」
能登高校・屋敷秀樹校長「元々は地域高2留学をやっていて、生まれも育ちも価値観の違う生徒が入ってくる中で地元の生徒にものすごくいい影響を与えることは分かっていたので、多様性のある生徒を集めようと始めました」 ■年々増加する「全国募集校」 一番の要因はやはり「過疎化」 各学校の特色ある取り組みをさらに活性化させ、魅力ある学校づくりを目指す県の教育委員会は、全国募集校を後押ししています。 2008年度から導入している七尾東雲(しののめ)高校に加え、2023年度は能登高校はじめ6校が、そして2024年度は鶴来高校が名乗りを上げました。その背景には、過疎化による生徒数の減少もあります。 県内で最も高校生が多かったのは1990年度で、およそ5万5800人いた生徒も2024年度は、ほぼ半数の2万8900人にまで減っています。 能登高校のエリアには、もともと4つの高校がありましたが、生徒数の減少から2つの高校に統合され、さらに2009年、この2つの高校も一つになり能登高校が生まれました。 能登高校・屋敷秀樹校長「地元の生徒がどんどん減っていくので、他から入ってくることによって新しい風も吹き込まれるのが大きなポイントだと思っている」 全国から生徒を募集するためには、宿泊する寮の完備も求められています。能登高校の寮では、こうした制度を利用して全国から来ている生徒をはじめ47人が共同生活をしています。 石川県・馳浩知事「過疎の地域においては高校が自分達の地域から統合とかクラスが減ってしまうということは大変辛い。改めて県全体の児童、生徒数の今後の見通しを見ながらも特色ある教育については今後とも応援していきたいと思っている」 ■金沢市近郊の高校でも生徒数減少の悩み 全国募集校で浮上目指す 鶴来高校も2025年4月の新入学生を獲得するため2024年度から「普通科スポーツ科学コース」で全国募集することにしました。 全国募集をするためには、寮の完備のほか定員割れしていることが条件になります。金沢市に隣接し、決して過疎地とはいえない地域に立地する鶴来高校も2024年度、普通科の普通コースとスポーツ科学コースを合わせて1学年の定員160人に対し入学者は99人。