阪神が「三重苦」で首位陥落 7点差から悪夢の大逆転負けに岡田彰布監督も苦々しい口調…先発も救援も苦投、守ってはリーグワースト22失策
(セ・リーグ、DeNA11-9阪神、7回戦、3勝3敗1分、11日、横浜)悪夢の首位陥落-。阪神はDeNAに9-11で大逆転負け。三回終了時に最大7点リードとしたが、先発した伊藤将司投手(28)が精彩を欠き五回途中で降板。守りも2失策がともに失点につながってリーグワースト22失策となるなど足を引っ張り、最後は救援陣が八回に1イニング3被弾して散った。「先発、救援、守備」の三重苦で、4月21日から守ってきた首位を巨人に譲った。 【写真】試合後、引き揚げる阪神・伊藤将司 苦しさが3つも重なれば、7点差だってひっくり返る。苦投する先発、足を引っ張る守備陣の苦しいプレー。最後は救援陣がホロ苦すぎる3発を浴びて、最大7点リードからの逆転負けで首位陥落だ。岡田監督の口調も当然、苦々しかった。 「まあ、でも2点(リードが)あったからな。(岩崎が四球から崩れたことに)そら、そうなるんやろな」 三回終了時点で7点リードの楽勝ペースから少しずつ苦しくなり、9-7の八回に〝三重苦〟の3つ目が現れたところで、一気に大暗転した。 Wストッパーの一角を担う岩崎が、1死から代打・桑原をストレートの四球で歩かせ、続く蝦名に中堅左へ同点2ランを被弾。さらに2死走者なしから日本球界に復帰し間もない筒香に右越えV弾を運ばれた。後を受けた岡留も牧にソロを浴び1イニング3被弾で屈辱の大逆転負け。岩崎も「ああいうところからホームランって一番ダメ。フォアボールです、きょうは」と自らを責めた。 桐敷が体調不良でベンチ外となっており、12日もベンチを外れる。ただでさえ救援陣のやりくりは難しかった。8日の広島戦(甲子園)ではゲラが2敗目を喫したが、岩崎も今季初黒星。4月は「1・12」を誇った救援防御率が5月は「2・93」だ。逃げ切る展開ばかりは望めなくなっている-。 もともとは、1つ目の苦しみ、先発の伊藤将の背信投球から乱れたゲームだった。4回⅔を投げて8安打7失点(自責5)で降板。10日に5回0/3を4安打3失点で降板した青柳に続いてのクオリティスタート(QS=6回以上を投げ自責3以内)失敗となった。阪神の先発が2戦続けてQSに失敗するのは5月1、3日の伊藤将(広島戦)と門別(巨人戦)以来で今季3度目。近本が満塁弾を含む6打点と爆発し、9点を奪っても勝てず。投手力を前面に押し出す虎の戦いに、ここへ来て陰りが見えてきた。 守乱も苦しかった。二回には木浪が送球を走者に当て、遊ゴロで飛び出した二走を刺し損ねた。四回には佐藤輝の悪送球もあり、ともに失点に結びついた。強風の中めまぐるしくゲーム展開が変わったが、どちらも風は関係なかった。これでDeNAを上回り、チーム失策数はセ・リーグワーストの「22」。指揮官も「あれな、イージーやもんな」とあきれ顔だ。