夫の遺志継ぐ「神戸人形」 吉田さん、「巳」にちなむ新作完成 ヘビが首伸ばす愛らしい動き
木製からくり人形「神戸人形」を制作する工房「ウズモリ屋」(神戸市東灘区)が、新年のえと「巳(み)」にちなんだ新作の神戸人形を作り、販売を始めた。つまみを回すと白いヘビが首を伸ばす仕掛けが愛らしい。 【写真】リアルすぎる警官マネキン市役所に 今度は別の芸能人風 記念撮影「いいとも!」 神戸人形は明治半ば、主に外国人旅行者の日本みやげとして誕生。1995年の阪神・淡路大震災後に途絶えた後は、人形劇美術家の吉田太郎さんが2015年に復活させたが、吉田さんは今年2月、病気のため54歳で急逝した。その後、人形劇美術家として二人三脚で歩んできた妻の綾さん(56)が「夫の遺志を私が継がない選択肢はない」と制作のバトンを引き受けている。 えとにちなんだ人形は「神戸人形のファンを増やしたい」と太郎さんが17年末に作り始め、今回8作目。太郎さんは、すべて異なる仕掛けで12作を制作することを目指してきたといい、首が飛び出す仕掛けは初めて。2人が好きだったコメディアンの芸を参考に綾さんが設計と制作を手がけた。「ユーモラスな動きに心を和ませながらかわいがってほしい」と話す綾さんは「酉(とり)年まで残り4作品も完成させたい」と誓う。 150個を制作予定で、ウズモリ屋の通販サイトや日本玩具博物館(兵庫県姫路市)で販売中。7700円。ウズモリ屋TEL078・846・2196(井原尚基)