社員から企業への「復讐」リベンジ退職が2025年に急増する可能性
リベンジ退職は、2025年の雇用市場におけるゲームチェンジャー的要素になるかもしれない
3. 燃え尽きカルチャーの放置。社員に対して、質の高いワークライフバランスを奨励するCEOは多いが、自ら実践している人はわずかだ。ビジネスリーダーの72%は、1日の終わりには疲れ果てていると回答している。幹部自身が、仕事と私生活の線引きや、燃え尽きの防止に努めていないことに、社員は気づいている。トップが模範を示し、休暇中の業務連絡や時間外のメール送信をやめないかぎり、トリクルダウン効果が社員のウェルビーイングを蝕む。 4. ポテンシャルの高い社員への投資不足。高い潜在力をもつ社員が成長の機会を得られない場合、転職を考える確率は3倍に跳ね上がる。現代の労働市場において、リーダーシップ能力をもつ人材には多くの選択肢がある。スキルを伸ばし、キャリアの見通しを立てる機会が十分に得られない場合、彼らは迷わず現在の職場を離れ、より成長できる環境に移っていく。 SHLのベスターによれば、「リベンジ退職」のリスクを軽減するには、リーダーは社員の貢献を評価する職場カルチャーを醸成し、社員のニーズの進化に対応しなければならない。「例えば、積極的にフィードバックに耳を傾け、キャリアを発展させる明確な機会を提供し、尊敬と包摂を基礎とした職場環境を培うことなどが挙げられる」 ベスターはまた、離職の防止には、働き方の柔軟な調整、競争力のある報酬、社員の努力を正当に評価することが不可欠だと指摘する。特に若い世代は、透明性の高さと、仕事が自分自身の価値観と合致することを求めているという。「リーダーはまた、社員が未来に備えられるよう、彼らのスキルアップを優先し、社員の成長に真摯にコミットしていることを示すべきだ」 「こうした積極的な対策をとることで、組織はリベンジ退職の要因となるフラストレーションを緩和し、信頼を再構築し、エンゲージメントを強化できるようになるだろう」とベスターは締めくくった。 「リベンジ退職」のトレンドは勢いを増している。1月が近づき予算開示が進むなか、リベンジ退職は、2025年の雇用市場におけるゲームチェンジャー的要素になるかもしれない。
Bryan Robinson, Ph.D.