【菊花賞展望】ぶっつけで2冠を狙うダノンデサイル 条件申し分なし!注目の新興勢力も
[GⅠ菊花賞=2024年10月20日(日曜)3歳、京都競馬場・芝外3000メートル] 今年の皐月賞馬ジャスティンミラノ(屈腱炎で戦線離脱も天皇賞・秋を予定していた)がそうだったように、近年は距離適性を重視して秋の3冠目を目指さないケースもある。近10年で春クラシック出走馬=5勝、不出走馬=5勝のがっぷり四つであり、3冠馬コントレイルを除けば春クラシック優勝馬の菊花賞制覇はない。今年は両トライアルを春の既成勢力が制したが、彼らが3冠最終戦でも意地を見せるのか? それとも怒とうの5連勝で一気に世代の頂点に上り詰めた昨年のドゥレッツァのように新興勢力の台頭があるのか? 中心はダービー馬ダノンデサイル(安田)だ。皐月賞では発走直前に鞍上・横山典が異変を感じて出走を回避(競走除外)。その〝英断〟が奏功したのか、ダービーでは鬱憤を晴らすような2馬身差の快勝劇で世代のトップに立った。この秋はぶっつけでの菊参戦を選択。ダービー&菊花賞の2冠制覇となれば1973年タケホープ以来、約半世紀ぶりとなる(3冠馬除く)。また、横山典にとっても98年セイウンスカイ以来、26年ぶりの菊花賞制覇がかかる一戦だ。 勢いに乗ってダービー馬に挑むのがトライアル覇者。ダービーで無念の出走取消となったメイショウタバル(石橋)は、GⅡ神戸新聞杯を鮮やかに逃げ切った。力んで暴走気味に逃げて失速した皐月賞(17着)とはひと味違う成長した走り。3000メートルの舞台でも前出セイウンスカイやタイトルホルダーらに続く逃亡劇を見せることができるか。 東の菊TR・GⅡセントライト記念を制したアーバンシック(武井)。ダービー11着から一気に巻き返して出走権を手にしたが、それ以上にルメールの手綱を〝勝ち取った〟のはここに向けて大きなプラス材料だろう。2005年の3冠馬ディープインパクトにもつながる血統背景は魅力で、15年キタサンブラック以来となるセントライト記念優勝馬の菊花賞制覇を狙う。 セントライト記念2着コスモキュランダ(加藤士)はメンバー最多の豊富なキャリア(10戦)。同レース2着から菊花賞に進むローテは父アルアインと同じであり、その父が7着に敗れたリベンジのかかる一戦となる。同3着エコロヴァルツ(牧浦)はマイルのGⅠ朝日杯FS2着馬だが、10ハロン超でも問題なく対応してきた。逃げ差し自在の立ち回りは大きな武器。神戸新聞杯3着で権利を手にしたショウナンラプンタ(高野)も、ひと夏を越して折り合い面に進境を見せただけに、今ならこの距離でも持ち前の決め手を生かせそうだ。 新興勢力で注目したいのはヘデントール(木村)。日本海Sを勝ってのここ参戦は昨年のドゥレッツァと同じ臨戦過程であり、長丁場で活躍した母(コルコバード)のDNAを考えればこの舞台は申し分なさそう。また、3連勝で駒を進めてきたピースワンデュック(大竹)に騎乗する柴田善は現在58歳。勝てば自身初の菊花賞制覇となり、同時にJRA・GⅠ最年長勝利記録(24年ダービー=横山典56歳3か月4日)を大きく更新する。
東スポ競馬編集部