<内部調査>北朝鮮住民の暮らしはどうなっているのか(2) 無料教育制は風前の灯火 意外にコンピューターは学校に広く普及
◆学校ごとにコンピューターを設置している
C氏は、学校にはコンピューターが設置されていて、イントラネット(組織内のプライベートネットワーク)が一部であるが使用されているとして、次のように説明する。 「農村の高級中学校でも、作動するコンピューターが通常3~5台はあると聞いています。全国の学校に(金正恩氏からの)プレゼントだとして、コンピューターが2台ずつ供給されました。また教師への伝達や、指導方針はイントラネットで共有されるようになっていて、先生たちは接続して利用すると聞いています。生徒たちはコンピューターの使い方を学ぶ程度で、(イントラネットに)接続はできないようです。パスワードをかけて、生徒がアクセスできないようになっていると子どもから聞きました」 農村地域の教育環境や教師数に関する質問に対しては、C氏は肯定的に答えた。 「(農村でも)先生は学校にきちんと配置されています。教育問題は党でも継続的に強調しているので、英語、科学、コンピュータの科目の先生もいます。(農村に)先生が不足しているという話は聞きません」 教育は、すべての国家が未来のために重視して投資する分野だ。過去には北朝鮮も、教育に対する関心と投資を惜しまなかった。しかし経済状況が悪化して、北朝鮮の教育正常化は遠のいているようだ。それは空虚なスローガンや方針によってではなく、教育環境への投資によって成るものだろう。 連載最終回の次回は、医療の実状について考察する。(続く)