米銀資本要件引き上げの取り組み、次期政権下で終了へ-マラソンCEO
(ブルームバーグ): 米大手銀行の資本要件引き上げを目指す規制当局の長年の取り組みは、トランプ次期米政権下で終了する可能性が高い。 米ヘッジファンド運営会社マラソン・アセット・マネジメントのブルース・リチャーズ最高経営責任者(CEO)がこうした見方を示した。
世界の銀行規制当局は現在、自己資本規制で「バーゼル3最終化」と呼ばれる最終段階の取りまとめを進めている。連邦準備制度理事会(FRB)や連邦預金保険公社(FDIC)、通貨監督庁(OCC)を含む米規制当局は当初の資本要件案の修正に取り組んでおり、要件を緩和する意向を示している。
リチャーズ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「バーゼル3最終化は葬られたと思う」と発言。資本要件を含め、銀行規制の緩和をトランプ氏は目指すだろうと語った。
その上で、規制の修正は全ての銀行の融資能力を「解き放つ」だろうと指摘。恩恵を受ける分野の一つはマラソンを含む資産運用業界であり、魅力的な融資を受けられることがプライベートクレジット市場で高いリターンを生み出すのに寄与するだろうと語った。
リチャーズ氏はまた、昔ながらの株式6割・債券4割の「60/40」戦略を追求している投資家は債券投資の半分をプライベートクレジットに振り向けることを検討すべきだと述べた。
原題:Basel III Endgame Is Dead, Marathon’s Bruce Richards Says(抜粋)
--取材協力:Sonali Basak、Katie Greifeld.
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Will Kubzansky