小池知事、都議選前に市場移転判断も? 近くPT報告書やあり方本部開催
東京都の小池百合子知事は8日午後の定例会見で、築地市場の豊洲市場への移転問題について「都の市場問題プロジェクトチーム」(PT)の報告書を13日に受け取る予定であると述べたほか、近く開かれる予定の「市場のあり方戦略本部」から総合的な考えを聞く見通しを示した。また、都議選前に移転判断するとも取れる発言もあった。 【中継録画】小池百合子都知事が定例会見(2017年6月9日)
13日にPTから報告書
市場問題PTは、5日の会合で報告書案を協議し、数点の修正を経て知事に提出する方針で了承していた。PT報告書案について、小池知事は「大変な力作」として注目点を2点挙げた。一つ目は「豊洲ありき」で進んできた議論の中で「築地の見直し」について触れた点。もう一つは「市場の持続可能性」について詳しく言及した点。「多方面から分析されている」と述べ、あらためて総合的な判断の材料の一つとするとした。 市場問題をめぐる都の会議としては、無害化をめぐって紛糾した専門家会議がこの週末(11日)に再開される。また市場のあり方戦略本部も近々開かれる予定で、「総合的にまとめた形での戦略本部としての考えを聞くことになる」と述べた。 また「(豊洲に)もう6000億(円)もつぎ込んだんだから早く移れよという乱暴な意見もよく聞く」としながら、「さまざまな調査を見ていると『豊洲もいいけども安全にしてからお願いね』という人が一番多い。そこの部分はまだ達成されていないというのもよく知らされていない事実」と、都議会で陳謝した無害化の未達成についても言及した。
知事の立場尊重は白紙委任?
小池知事が地域政党「都民ファーストの会」の代表に就任したことを受け、この日から、知事定例会見の後に「代表」としての会見を分けて行うことになった。 その会見で、市場移転問題について都民ファーストの会が「小池知事の立場を尊重する」としている点を、記者から「白紙委任ではないか」などとただされると、「(候補者は)いろいろ意見があると思うが、初陣にあたってここはワンボイスでいくべきだろう。それぞれがイエス・ノーとなると、統制が取れてないことになる」と説明。その上で「こういったことを含めて総合的な判断を下していく。その後に、しっかり対応しながら、都議選でそれぞれの地域で活動し、政策をそれぞれが伝えていくということだと思う」と述べ、都議選前に移転をめぐる判断を下す可能性があるとも取れる発言をした。 (取材・文:具志堅浩二)