急増『卵子凍結』という選択 その方法や負担の体験談 40歳で出産した人「人生で一番いい決断だった」一方で「妊娠を先延ばしにしていいという材料にしてしまうと...悲しい」
東京都は卵子凍結費用を助成…想定超える利用意向
自治体も経済的な負担を減らそうと動き出しています。 (東京都 小池百合子知事 去年9月)「卵子凍結というのは将来の妊娠に備える選択肢の一つであります」 東京都は去年10月から、18歳から39歳までの健康な女性が卵子凍結をする際の費用を最大で30万円助成。現在のところ想定を大きく上回る3227人(4月8日時点)が利用の意向を示していて、今年度の助成規模を当初の10倍に拡大しました。 一方、こうした動きについて日本産科婦人科学会は「推奨も否定もしない」という考えを示しています。
卵子凍結で出産した人の体験談と想い
(男の子)「こんにちは!(Q何歳ですか?)6歳やけど、7歳になる、もうちょっとで」 大阪府内に住むAさん(46)。凍結していた卵子を使って6年前に男の子を出産しました。きっかけは年齢とともに感じる身体の異変でした。 (Aさん)「30代後半になってきますとホルモンバランスが変になってきて、通常の生理もこなくなって、このままだったらたぶん産めないかなっていう危機感を感じたというのが凍結の一番の要因になりましたね」
Aさんは37歳から1年かけて100万円以上支払い、26個の卵子を凍結しました。 (Aさん)「いつかは産めるかもしれない、赤ちゃんを授かるかもしれないということで、とても安心しました。焦る気持ちが無くなりましたね。(Q当時は理解が得られる感じではなかった?)そうですね、言うこと自体もはばかられるような時代やったと思います。自然妊娠というのがあって、まったく言える状況ではなかったと思います」
その後、38歳で結婚。自然妊娠などを試みましたがうまくいかず、当初は凍結卵子を使うことに反対していた夫を説得して、40歳で出産しました。 (Aさん)「すごくうれしくてですね。私の人生の中で一番いい決断だったかなと思います。精神的負担も金銭的負担も全て吹っ飛んだというか、息子に会えたことで全てチャラになったと思います」 それでも、卵子凍結をする際は、出産後の先まで見据えて決断してほしいと話します。 (Aさん)「ただ、妊娠を先延ばしにしてもいいかなっていう材料にしてしまうと、ちょっとそれは悲しいなと思っていまして。産んだ後が子育ての勝負だから、私も40歳で出産していますけど、体力的にはとてもしんどくて。仕事との両立もとてもしんどくて。そういうのも視野に入れて卵子凍結するか将来どうするかというのを考えていただけたらなと思っています」