バリ島で富山発のリサイクル技術を導入したゴミ処理の実現に期待 生ごみ分別へ収集法見直すきっかけに
富山発のリサイクル技術がインドネシアのバリ島に導入され、稼働した話題を5日お伝えしましたが6日はその続編です。 この技術導入をきっかけにごみの収集法を見直す動きも出ています。 世界有数のリゾート地インドネシアのバリ島。 人気の観光地があるバドゥン県で先月、生ごみのリサイクル設備「RA-X」が稼働しました。 富山市の廃棄物処理会社「石橋」が設計した最新鋭の機械で、生ごみを自動で攪拌し、たい肥に変えます。 この町で行き詰っていたごみ処理の問題を解決するために富山市の国際貢献事業の一環として進められたプロジェクトです。 導入された翌日。 県庁内でさっそく設備の活用法について話し合う評価委員会が開かれ、州や県の担当者が活発に意見をかわしました。 話し合いで今後最も必要とされたのはごみの「分別」です。 生ごみをリサイクルするにはごみを分けて出す必要性があると住民にも理解を求めていくことにしました。 意見 「これまでもゴミを減らそうと政府や県が予算を用意しましたがダメでした。ゴミは個人の問題。住民の協力や、教育活動が欠かせない」 「分別する効果を、地域や市場のリーダーに伝えることが、住民の協力を得るために必要」 *バドゥン県 環境衛生局 アグンさん 「RA-Xの受け入れは1日最大50トンです。住民のゴミ分別が進めばRA-Xも稼働する。住民の協力を進め、生ごみを搬入できるよう、取り組みを進めたい」 バリ島で高まるゴミへの問題意識。 その背景にあるのはまちの深刻な現状です。 バリ島最大の都市、デンパサール市にあるごみの埋め立て処分場では、処理能力の限界に達した今もゴミが搬入され、30m以上の高さまで積み上げられています。 バリ島では経済発展や人口増加に伴いゴミが急増し、その処理が追いつかない状況が続いています。 ゴミの積み上げが続く「オープンダンピング」の問題はインドネシア各地で相次いでいて、悪臭の発生や地下水の汚染などを引き起こす事態となっています。 *石橋 隆二社長(石橋) 「(受け入れを超えた投棄は)いずれは限界が来る。それをどう考えているのか。『自分たちだからできる』ことではないかもしれないが、少なくともこのやり方は変えることができる。」 バリ島の玄関口、デンパサールの空港すぐそばで広がる、ゴミを巡る深刻な現状…。 富山発の技術がその解決の一手となるか、現地で始動した取り組みに期待が集まっています。
富山テレビ放送