学校からプールがなくなる? 小学校が水泳授業を「民間委託」 維持管理費の削減とプロ指導に学校側も期待
京都市のある小学校が、17日から水泳授業を近くのスイミングスクールに委託する取り組みを始めた。なぜ民間委託をすることになったのか、「newsランナー」の谷元星奈キャスターが取材をした。
■学校からプールがなくなる? 教員にとって負担の多い水泳授業
京都市立正親小学校の3、4年生が水泳の授業を受けているのは、学校のプールではなく、民間のスイミングスクール。教えるのは、プロの指導者だ。 実は、京都市立の小・中学校4校が、今シーズンから体育の水泳の授業を、民間のスイミングスクールに委託する取り組みを試験的に始めたのだ。 なぜ、始まったのか、それには各学校が頭を悩ませる、ある理由があった。 実際に正親小学校のプールを見せてもらった。 谷元星奈キャスター:このあたりとか雑草が生えている状態…ところどころ、ひび割れが入っている…。 60年前に作られたプールは老朽化が進んでいた。 教員たちにとっても、毎年、点検・整備・修理などが必要で、負担が大きかったという。 京都市立正親小学校 長谷川英司校長:朝出勤してから、すぐ水の管理、水位の管理をしなければいけない。水泳学習のための業務が減るので、とても助かっています。 さらに、屋外にプールがあるため、ここ数年はこんな問題も… 京都市立正親小学校 長谷川英司校長:熱中症の指数が31を超えたら、運動は基本的に中止をしています。指数が上がった時には、水泳学習はストップ。 これらの理由に加えて、プールを新たに造り直して維持管理するよりも、民間委託することで、年間約170万円が削減できることがわかったため、京都市教育委員会は今回の取り組みを決めたという。(※正親小学校の場合) この学校では、近くの民間プールまで歩いて移動する。 児童たちはいつもと違う授業環境に、わくわくしている様子。 民間プールは、屋内で天候や気温に左右されることがなく、水温も一定のため熱中症のリスクも減らせる。 指導員のほかに専属の監視員が1人いて、安全面への配慮も。 谷元星奈キャスター:1人1人マンツーマンでレッスンが行われています。 インストラクター:ほとんどの人は頭のてっぺん、上半分が出てるんだよ。 プロの指導者から適切な水泳指導を受けられ、泳ぐ力の向上が期待できるというメリットもある。 一方で、評価は学校の教員が行うため、より丁寧な情報共有が必要になる。 教員からは、こんな感想も…。 4年生の担任:お話の仕方とか見させてもらって、思わず僕も習ってみようかなと思うぐらい、上手に教えていただいて。 4年生:夏じゃなくても、寒い日でも温かい水にしたら泳げるしいいと思います。 この学校は委託先の民間プールが隣にあったが、離れた場所にある2校はプールの送迎バスを使って移動するという。 京都市教育委員会 小泉昇一担当課長:バスなどを使って移動するときのリスクや、移動時間を踏まえたときに、どういった範囲で取り組みを広げていくかは、引き続き検証・検討していく。 京都市教育委員会は、課題がクリアできたら実施校を増やすことを検討したいとしている。