中銀はインフレ抑制で拙速に勝利宣言してはならない-BIS総支配人
(ブルームバーグ): 国際決済銀行(BIS)のカルステンス総支配人は18日、中央銀行は拙速にインフレ脱却を宣言してはならず、しばらくは引き締めスタンスの維持が必要になる可能性があるとの見解を示した。
同氏はフランクフルトで、「インフレに決定的な勝利を収め、物価安定が回復するまでは金融政策はインフレとの闘いを優先させる必要がある」と発言。「引き締めスタンスの長期維持が必要になる可能性がある。決意と忍耐、成功によってのみ通貨に対する信頼は守られるからだ」と語った。
今週は米英スイスなどの中銀の金融政策決定会合が開かれる。金融当局者は2022、23年の歴史的な金融引き締めの後、利下げに踏み切る適切なタイミングを見極めようとしている。
カルステンス氏は世界的なインフレ率の急低下で自己満足してはならないと指摘。「われわれはソフトランディングに向かっているようだ」としながらも、そのようなシナリオが「保証されているわけではない」と指摘。
インフレ率はなお目標を上回っており、「この先も間違いなくさらなる問題にぶつかるだろう」とし、「脱グローバル化や経済の分断、人口動態の悪化、気候変動対策の必要性といった中期的なインフレリスクにより、中銀が政策経路を維持する必要性が高まっている」と説明した。
原題:Central Banks Mustn’t Hail Victory Too Soon, BIS’s Carstens Says(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Mark Schroers