LE VELVETS、4人体制最後となる公演が終演 「一度、離れて歩いていくワガママを許して」
LE VELVETSの4人体制最後となる公演【LE VELVETS CONCERT TOUR 2024 VIVERE~彩りの未来へ~】が、9月21日に大阪・NHK大阪ホールにて行われた。 その他の画像 LE VELVETSは宮原浩暢(バリトン)、佐賀龍彦(テノール)、日野真一郎(テノール)、佐藤隆紀(テノール)の4人によるヴォーカルグループ。メンバー全員が音楽大学声楽科出身で、クラシックを軸に多彩なジャンルを歌い上げる高い表現力を武器に、海外でのCDデビューやメンバー各々がミュージカルに出演するなど、多岐に渡る活動で人気を集めてきた。そんななか、メンバーの佐賀龍彦が2024年9月を以てグループを脱退することを発表。2021年に脳梗塞を患い、翌年にはステージに復帰したものの、アーティストとしてより完全な復活を目指すためにリハビリに専念するためだという。 4人体制での最後のステージを目に焼き付けようと、最終日となる大阪公演には全国各地からファンが集まり満員御礼に。ステージの開幕を告げる1曲目は「明日への階段」(ミュージカル【ルドルフ~ザ・ラスト・キス~】の楽曲)。力強い歌声、心を鼓舞する詞世界であっという間に会場にいる全員を心酔させてしまう4人。続く「’O SOLE MIO」(カンツォーネ)では個々の美しい歌声はもちろん、佐藤の圧倒的なロングトーンに観客は感嘆の声を漏らす。 佐賀は「16年間の活動でたくさんの曲に出会ってきた。今日は想いを込めた特別な曲ばかりを披露したい」と、この日の選曲に込めた想いを語る。昭和歌謡「リンゴの唄」(並木路子)や「喝采」(ちあきなおみ)、オペラ「Nessun Dorma!」(「トゥーランドット」)など、4人の歌声や表現力、その魅力のすべてを体感できる楽曲陣が続いていく。美しい歌声はもちろん、4人での和気あいあいとしたトークコーナーにも会場は大盛り上がり。この日も佐賀の天然キャラが炸裂し、あまりの天然ぶりに、佐藤が思わず「リハビリ必要なんですか?」とツッコんでしまうシーンには観客から笑いと拍手が沸き起こることも。 ステージ後半は、グループの名付け親でもある湯川れい子が作詞、葉加瀬太郎が作曲を手掛けたオリジナル曲「ROMANTiCA~愛の祈り~」から。愛や感謝の気持ちが込められた楽曲は美しいハーモニーはもちろん、個々の歌声がはっきりとした輪郭を持ち、情感たっぷりに歌い上げるからこそ感じられる世界観に思わず涙を浮かべる観客の姿も見える。本編最後はツアータイトルと同じ「VIVERE」。路上ライブ時代から歌い紡いできた思い入れのある楽曲を4人は互いに視線を交わし合い、これまで以上に愛おしそうに、噛みしめるように歌い上げた。 アンコールでは佐賀がソロステージで「Granada」を渾身の歌声で歌い上げると、会場からは拍手喝采が沸き起こる。それでも佐賀本人はまだまだ本調子ではないという。アンコールでは「ファンの応援があったからこそ(ステージに)戻りたいと思えた。どれだけ時間がかかるか分からないけど、一度LE VELVETSを離れて歩いていくワガママを許して。完全回復します!」とこれからのリハビリ、そしてボーカリストとしての活動への意欲を語った。メンバーも佐賀へ、そして集まったファンへ「16年間共に歩んできた想いを噛みしめて。時間は一瞬だけど、記憶には一生残る。今日の思い出が永遠に息づいてくれたらうれしい」「いつも奇跡を起こしたくれたのはファンのおかげ。ファンから受けた愛を忘れずに前に進んでいこう」と、改めて感謝の気持ちを語った。 アンコールラストは佐賀がステージに復帰した際に披露したという「You Raise Me Up(Secret Garden)」。宮原、佐賀、日野、佐藤の4人はまるで讃美歌のような、力が沸き起こる楽曲を全身全霊で歌い上げ、ステージを後にした。LE VELVETSは今後、3人での新体制を整えるために年内の活動休止が決まっている。佐賀龍彦の完治を願い、そしてLE VELVETSの今後の活動にも注目していきたい。 ◎番組情報 【LE VELVETS CONCERT TOUR 2024 VIVERE~彩りの未来へ~】 CSテレ朝チャンネル ch1 2024年10月26日(土)12:00~