8月2日は「ハラスメントフリーの日」 あらためて企業の“パワハラ防止”に必要な基本の取り組みとは?
「パワーハラスメント」は2001年に誕生
いまや世間に定着した「パワーハラスメント」だが、この単語は英語には存在しない。2001年に、クオレ社の代表取締役である岡田康子氏によって提唱された和製英語である。 岡田氏が生み出したこの単語は、徐々に日本社会に浸透していき、ハラスメント問題の認知度を高めていった。 その後、2020年に「パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)」が整備されるに至る(同年6月より大企業、2022年4月より中小企業対象に施行)。 稲尾氏も「以前に比べて、人権侵害や人格攻撃を伴うハラスメント問題の救済は進んでいるのではないでしょうか」と語る。 一方で、さまざまなハラスメントの問題は依然として深刻だ。新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから一年経ち、会社での宴席などが増えたことから、最近ではセクシュアルハラスメントの相談が増えているという。 「これだけハラスメント問題の認知度が高まっているにもかかわらず、いまだにひどいハラスメント言動がなくなっていないという現実もあります。 ハラスメント防止の取り組みに、終わりはありません。 職場の一人ひとりが当事者であることを自覚し、たとえハラスメント問題が起きたとしても真摯に対応でき、誰もが働きやすい職場を自らつくるという意思を持ち続けられるよう、『ハラスメントフリー』の理念をお伝えできればと思っています。」(稲尾氏)
弁護士JP編集部