新宿二丁目「白い部屋」56年守ってきたコンチママに松本まりかが共感「自分の生きられる場所が、人の救いに」
事務所移籍に連続主演…向き合う姿勢に変化
女優の松本まりかが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、10月27日・11月3日の2週にわたり放送される『二丁目に生きて』。新宿二丁目で56年の歴史を持つショーパブ「白い部屋」の移転問題に揺れるコンチママ(76)たちを追った作品だ。 【写真】新宿二丁目「白い部屋」のコンチママ そんな中で奮闘するママの姿に、大きな共感と勇気をもらったという松本。自らの思いに重ねて涙を見せながら、その真意を語ってくれた――。
■「引退」の二文字が頭をよぎる LGBTQの人たちが集う街・新宿二丁目を半世紀以上にわたり見続けてきた、「白い部屋」の名物オーナー・コンチママ。コロナ禍の経営危機も乗り越えたが、2023年夏までに店を立ち退かなければならなくなった。 「白い部屋」の歴史を途絶えさせないためには、新しい移転先を見つける必要があるが、再び一から店を立ち上げるには、ばく大な費用もかかる。それを実現できる体力、気力はあるのか……76歳のママの揺れる心は弱気に傾き、「引退」の二文字が頭をよぎる。 コンチママは、この街の象徴とも言える「白い部屋」を後継者に託すことを考え始めるが、歴史あるこの店を継いでくれるのは誰なのか。そして、新たな移転先は見つかるのか。コンチママの迷い道の行方を追っていく。 ■「世の中にとって必要な人」 「白い部屋」のドキュメンタリーでナレーションを担当するのは、2021年1月以来約4年ぶり。その間に、今年は事務所の移籍や地上波連ドラ2クール連続主演などを経験したこともあり、原稿を読む姿勢が大きく変わったという。 「今年に入ってからたくさんの葛藤を繰り返して、自分の中に変化があっての今回のナレーションだったんです。自分が語り手になるということは、二丁目で半世紀生きてきたコンチママの人生をある種、代弁することになるので、“そう簡単に触れてはいけない”というような、責任の重みが全然違いました」 ここまで責任を感じるのは、コンチママを「誰にも替えのきかない、道を切り開いていく選ばれた人」と捉えているからだ。 「私たちが想像し得ない苦難や喜び……そんな簡単な言葉では語れないコンチママの人生すべてを理解することなんてできません。でも、性的マイノリティが受け入れられない時代から、パイオニアとして道を切り開いてきたということは、苦難や困難がすごく多い人生だったのだと思います。それをやり続けて、お客さんを笑顔にしたい、守り続けて後世に残さないといけないという覚悟は、コンチママの使命なのかもしれないですし、世の中にとって必要な人だと思います」