「隠れ円安」で、ますます遠のく年末年始の「海外旅行」…そんな中、旅行好きがおすすめする"穴場"は
これは考えてみると「目から鱗の解決策」です。年末年始にわたしたちが海外旅行に行く目的は非日常を楽しむこと。その観点で言えば沖縄と東京はぴったりその目的に合致します。 沖縄の場合は那覇市ではなくレンタカーを借りてちょっと遠くの街や村に滞在すればまるで外国のような経験を楽しむことができます。たとえば「沖縄市」はどうでしょう。以前はコザ市と呼ばれていた沖縄市の中心部は米軍基地の街です。 コザの街は近年、町おこしで若い人たちが経営する飲食店や小売店が増加しています。古い商店街をリノベーションして新しい感覚のお店がつぎつぎと誕生しているのです。さらにはそのような商店を改造してエキゾチックなホテルとして滞在を楽しめる施設も誕生しています。 沖縄で海外気分を味わうとしたらもうひとつ、「北谷」もお勧めです。こちらは米軍基地が返還された跡地に広大なアメリカンビレッジという観光地が生まれていて、やはりアメリカ風の飲食店やショップが軒を連ねています。ヒルトンなど大手資本のホテルも充実しているので長期滞在にも向いています。 あと沖縄で個人的にお勧めなのがステーキ文化です。米軍が顧客になることから沖縄にはアメリカ風のステーキハウスがたくさんあるのです。ステーキに限らず物価の安い沖縄では何を食べても値段はアメリカの3分の1以下。しかも沖縄は東京から飛行機でわずか2時間程度です。国内旅行でありながら海外旅行気分を満喫できるねらい目スポットであるのは間違いないでしょう。 ◆注目の再開発スポットが盛りだくさんの「東京」 もうひとつの人気観光地「東京」は、なんといっても最先端の再開発スポットがお勧めです。インバウンドに人気の新宿歌舞伎町には東急が運営する「歌舞伎町タワー」が開業しています。 ビルの2階には全国の居酒屋が集結した横丁があり、その中央でDJが最新の音楽を紹介しています。歌舞伎町や新宿西口では大量の提灯や電飾などでエキゾチックな日本をイメージさせるお店が増殖していて、以前の日本ではなく未来の日本を感じさせる街へと変貌しています。 六本木も相変わらずお勧めのエリアです。日本の都市文化としてはNYを彷彿させる文化の中心地で、かつ六本木ヒルズやミッドタウンなど大規模な再開発で都市の様相が常に変化しています。 11月にはこの街に隣接して新たに「麻布台ヒルズ」が誕生しました。緑に覆われたこれまでにない新しい都市計画による新しい街の誕生です。実は麻布台ヒルズは六本木から徒歩圏内であり、その麻布台ヒルズからは虎ノ門ヒルズが徒歩圏内。つまり東京の新しい街は単体の開発から、つながる都市開発へと進化も始めているのです。 もちろん「渋谷」も「裏原宿」も相変わらず進化を続けていますし、「浅草」も「銀座」もインバウンドでは鉄板の人気を誇ります。年末年始、東京のこうしたインバウンドに人気の街を探検に来るのも、非日常を感じるエキゾチックな体験になるのではないでしょうか。 このように円安と隠れ円安で注意が必要な年末年始も、工夫次第でまだまだゴージャスに過ごせるものです。皆さんも年に一度の休暇をぜひぜひ満喫してみてください。 文:鈴木 貴博 経営戦略コンサルタント。東京大学工学部卒。ボストンコンサルティンググループ等を経て2003年に独立。事業戦略と未来予測の専門家。経済評論家としてメディアなどの多方面で活躍中。著書に『格差と階級の未来』『仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること』(講談社)、『日本経済 復活の書』(PHP研究所)、『戦略思考トレーニング』シリーズ(日本経済新聞出版社)などがある。後者は累計20万分超のベストセラー。
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