KYBデータ改ざん問題 通天閣は調査で「安全宣言」連絡ないメーカーに不信感
KYBデータ改ざん問題 通天閣は調査で「安全宣言」連絡ないメーカーに不信感 THE PAGE大阪
油圧機器大手の部品メーカー「KYB」と子会社の「カヤバシステムマシナリー」が製造した建物用の免震、制振装置であるオイルダンパーの検査データが改ざんされていた問題で、大阪市浪速区の「通天閣」は25日夜、「安全性を検証した結果、通天閣は耐震改修時に設定した耐震性能を有することを確認した」と、事実上の安全宣言を発表した。しかし、通天閣観光の高井隆光副社長は「メーカーからは連絡がない。基準値以下の免震ダンパーが入っているならチューンナップしていただきたい」と話している。 【拡大写真】通天閣の免震工事の際、足場から撮影した問題となっているダンパー
脚部の四隅に発表された不正商品と同じ型のダンパー
高井副社長によると、2015年に耐震構造を免震に変える工事を実施した際、建物を支える地上からの高さ約10メートル付近の脚部四隅にダンパーを設置した。 今月16日の問題発覚後は、発表された不正商品の内容から、同じ型のダンパーが使われている可能性があると知った。3年前の工事を施工した竹中工務店を通じてメーカーに問い合わせているが、正式な連絡はないという。
耐震改修時に設定した耐震性能での安全を有することを確認
そこで、通天閣では国土交通省の安全性検証方法が「建築性能基準推進協会」の公式サイトに掲載されたことを受け、竹中工務店と協力。記載されている安全性検証方法に従って検証した結果、2015年の耐震改修工事の際に設定した耐震性能で安全を有することを確認できた。
「メーカーと協議の上、より安全性を明確にしていく」
「2015年の工事の際、竹中工務店さんがデータをとっておられたので、そのデータをもとに計算式をいれ、安全の許容範囲値になりました。私たちには『シグマ』とか言われてもわかりませんからね」と高井副社長。 しかし、まだメーカーから正式な連絡などはなく「安全宣言とはいえ、基準値以下の免震ダンパーが入っている可能性もあるので、基準値をもし下回るなら、チューンナップまたはお引き取りいただきたい」と語気を強めた。また「今後も竹中工務店と連携しながら、KYBとカヤバシステムマシナリーと協議の上、より安全性を明確にしていまいります」と話していた。