野間&会沢で虎狩り!広島 呪縛解いた~甲子園連敗「11」も連続零敗「4」も止めた~
「阪神2-6広島」(10日、甲子園球場) 広島が連敗を4で止め、最下位を脱出した。リーグワーストに並ぶ4試合連続完封負け&昨季から11連敗中の甲子園&苦手の伊藤将という苦境を救ったのは先頭打者として、チームに勇気を与えた野間峻祥外野手(31)と、ベテランらしい活躍を見せた会沢翼捕手(35)だった。新井貴浩監督(47)もやっとつかんだ白星に笑顔。長いトンネルを抜けた。 【写真】右前に適時打を放つ野間 6日ぶりの勝利に、ハイタッチの手にも力が入る。多くの厳しい条件がそろってしまった1戦を、チーム一丸でものにした。会沢は充実した表情で「今日勝てたのが一番。勝てて良かったよ」と笑みをこぼした。 前日まで、リーグワースト記録に並ぶ4試合連続完封負けを喫していたチーム。雰囲気を変えたのは野間だ。初回、カウント1-1から伊藤将の甘く入ったカットボールを強振。大山のグラブを弾いて打球が右翼線を転々とする間に、迷わず二塁を陥れた。「初回の1打席目は1番打者として、チームに勇気をというか、今日こそはという感じで打席に入った」と汗をぬぐった。 その後、小園の遊ゴロの間に、先制のホームを踏んだ野間。実に37イニングぶりの得点に、左翼スタンド上段の一角を赤く染めた鯉党は大いに盛り上がった。 これまで遠かった1点を手にした打線は、波に乗る。二回1死一塁で、打席には今季2度目のスタメン出場の会沢。カウント2-2から、低めのツーシームに反応し、片手で左翼線に運んだ。「うまく引っかかってくれた。上本がよく走ってくれたよ」。スタートを切っていた上本が一気に生還すると、ベンチは総出でガッツポーズ。「次の1点が大事だった」と振り返るように、試合の流れをつかんだ得点となった。 相手先発の伊藤将には、昨季2戦2敗と苦戦。加えて甲子園では昨年からCS含めて11連敗中と、厳しい条件がそろっていた。その中でも野間は平常心で試合に挑んでいた。“負のデータ”に関しては「いや、全く知らなかったです」とけろり。「逆にそれが良かったのかもしれないですね」と笑った。捕手として、好リードを見せた会沢は「(苦しい)こういう時もありますよ。長いシーズンでこの時期が最初にきただけ。良い経験をしてまたチームの力が上がっていけばいい」とうなずいた。 新井監督も、甲子園でやっと手にした白星に「ほっとしています」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。暗いトンネルを抜け出した新井カープ。シーズンはまだ始まったばかり。この大きな1勝を機に、突き進むだけだ。