茨城県産シラス、ブランド化 常陸乃国シリーズ 鮮度追求、「し」の字形
茨城県産シラスの商品価値を高めようと、漁業関係者で組織する「県産高付加価値シラスブランド化協議会」は、鮮度を追求したシラスの新ブランドを「常陸乃国しらす」と命名した。新鮮なシラスは平仮名の「し」の字形になることから、独自の「『し』字率」という基準を設けた。県は厳選された最高級品として首都圏や全国に販促していく方針だ。 県によると、科学的根拠に基づき、シラスのブランド基準を設けたのは全国でも初めて。 同協議会は8月に結成。漁業協同組合や加工業者など水産関係者11団体で構成し、県とともに、ブランド基準やコンセプトなどを協議してきた。 コンセプトは、水揚げ直後からの「加工されるまでのシラスの鮮度を突き詰めること」。県水産試験場(同県ひたちなか市)の研究で、鮮度の高さは、船上から加工までの保冷温度と相関関係にあることが分かり、新ブランドの基準に盛り込んだ。 ブランド基準は、漁師が自信の一網のシラス▽短時間の網入れで、生きたまま漁獲する一艘曳(いっそうび)き▽茨城県沖で取れる▽最終製品の「し」字率が95%以上となるよう迅速に加工-の4点。 協議会のメンバーは10月、県庁の大井川和彦知事を表敬訪問し、ブランド化基準などを報告した。魚政水産(同県大洗町)の鈴木保男社長は「シラスと言えば茨城。全国に知ってもらうことを目標にしている」と意気込みを述べた。シラス干しと釜揚げシラスを試食した大井川知事は「ふわふわ。それぞれ特徴がある」と味わい、「常識を変える。高級品の代名詞になればいい」と期待を寄せた。 同協議会によると、常陸乃国しらすを水揚げする漁業者は10社。水産加工業者は4社が参加する。県によると、水産物での常陸乃国シリーズは「常陸乃国いせ海老」に続き第2弾となる。 常陸乃国しらすは16日、東京の高島屋日本橋店、新宿店などで初お披露目される。
茨城新聞社